華麗な人脈で“あり得ない”つなぐ…食品ロスに挑む[2021/08/11 23:30]

『未来をここからプロジェクト』“食品ロス”が問題となるなか、一流レストランや国連、大臣などを巻き込み解決しようとする女性がいます。ベンチャー企業『フードロスバンク』の山田早輝子社長。その原動力に迫りました。

食品ロスは、日本国内で年間600万トンにも及び、アジアで最悪の水準となっています。
山田早輝子社長:「食べるとか、寝るとかはみんながする。人間がすることだと共通言語になりやすいという意味では、(食品ロス問題は)環境の取り組みのなかでも、世代を問わずにできることだと思う」

高級ブランド『アルマーニ』が経営するレストランでは、山田さんが手掛けたフードロスコースが提供されています。山田さんは、味には問題がないのに廃棄される食材をハイブランド企業に紹介。ほぼ正規の値段で買い取ってもらっています。
飯塚農園・飯塚英晃さん:「普通はつながれない、要はアルマーニさんとか、フードロスバンクさん、間に入っていただいて、つながらせていただいているということは、すごくありがたい」

他にも、ブルガリや有名レストランに提供。ハイブランドとフードロスという今まで遠かった両者を結びつけ大きな話題を呼びました。
山田早輝子社長:「この規格外品というのが安心、安全。ちゃんとした品質であるというのがわかってもらうためには、ハイブランドの方と組ませていただいた方がわかりやすい」

こうした取り組みは、海外からも高く評価され、日本で初めて国連の教育プログラムの題材にも選ばれました。さらに、小泉環境大臣も、こう話します。
小泉環境大臣:「私は山田さんはつなぐ人だと思う。世界と日本のフードロスの取り組みをつないでくれて、ブランドと、日本の中で農家さんたちが頑張って作ったけど報われないものをつなげてくれる」

実は、山田さんの会社、社員数はたった2人で、起業から1年も経っていません。なぜ、名だたる起業とコラボすることができたのでしょうか。

アル・パチーノ監督・主演の映画『ワイルド サロメ』。プロデュースしたのは、なんと山田さんです。彼女にはハリウッドで活躍する映画プロデューサーという別の顔もあります。そのため、イギリスのチャールズ皇太子や、世界的歌手のスティービー・ワンダーさんなど、名だたるセレブと華麗な人脈を築いています。そうした人脈を生かして、フードロス問題を解決しようとしています。

一方、こうした山田さんの事業に対しては「根本的な解決につながるのか」「金持ちの道楽では」という批判もあるといいます。
山田早輝子社長:「お金がないとできないとか、そういうことではないと思う。何もしないで批判ばっかりするよりは、とにかくできることをする。死ぬときにやらなかったことを後悔するより、『ああ、やっちゃったな』って後悔する方がいいタイプなので」

だからこそ、自らの事業を通して、環境問題をより身近に感じてもらいたいと、山田さんはいいます。
山田早輝子社長:「私はそんなに大企業でもないし、うちの会社でできることなんて本当に限られているので、まずは自分と自分の周りの人から、少しでも共感をしてもらって、一緒にやっていくということが大事なのかなと思う。そこが一つずつ増えていくことによって、みんなが自分ごと化して、本当に物差しは変わったんだなというふうに感じられるのかなと思う」

なお、インタビューの完全版は記事下の【「華麗な人脈で“あり得ない”つなぐ…食品ロスに挑む」完全版】からご覧いただけます。

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