“大きな武器”ホテル療養で「抗体カクテル」の課題[2021/08/16 19:27]

とれたてのバズった話題をお届けする「トレバズ」のコーナー。

(大木優紀アナウンサー)
小池都知事が大きな武器と話す「抗体カクテル療法」。宿泊療養施設での投与が開始されました。今日のトレバズはここに注目します。そもそも「抗体カクテル療法」とは何なのか?先月19日に特例承認されました2つの薬を点滴投与することで重症化するのを防ぐ効果に期待が集まっています。海外の治験では入院や死亡のリスクが70%ほど減らせるということで、これまでよく耳にしてきたレムデシビルなどが重症者向けだったのに対して、今回の「抗体カクテル療法」は軽症・中等症向けです。

私たちがこれを耳にしたのは、トランプ前大統領が新型コロナにかかった時に、この「抗体カクテル療法」を受けたという報道だったと思いますが、これまで軽症だったりすると自宅や宿泊療養施設で療養するだけだったのが少し積極的に治療できる。この部分は大きいですよね?

(小松靖アナウンサー)
入院や療養した方がよくおっしゃるのが、この後、自分はもっと悪くなるんじゃないか?という恐怖に襲われるそうです。そうした心理的な負担を軽減できるという意味でもとてもいい選択肢ですね。

(大木アナ)
さて、この「抗体カクテル療法」を受けようと思いますと、まず発症から7日間以内の軽症者への投与が効果的かと言われております。アナフィキラシーが起こる可能性があるため投与後24時間の観察が必要。ですので実際問題、日帰りでの療法が難しいですよね。ですから入院患者が対象でした。

しかし現状入院できるのは、重症患者や重症化リスクの高い患者だけですので、軽症・中等症のまさにターゲットとなる患者に届かないという問題があったんです。そこで先週金曜日、宿泊療養施設でも投与できるように厚労省が規定を変更しました。品川プリンスホテルなどですでに投与が始まっています。
(4つあるタワーのうちイーストタワーを宿泊療養施設として都に提供)

実際にどんな方が受けられるのか?対象となるのは、中等症や重症化リスクがある軽症者。そうなると、「これをやってくれる宿泊療養施設に割り振られたいな」「そこのホテルだと受けられるのにこっちだと受けられないのかな」と感じる方も多いと思いますが、東京都の担当者によりますと「宿泊療養者のみが対象ではない。保健所が症状を聞いた上で判断していくのでは」という話でした。

(小松アナ)
保健所の方の聞き取りは本当に丁寧だと言いますね。その分、担当者の方の負担が多いということもあるんですが、大事なことですからね。

(大木アナ)
この「抗体カクテル療法」は点滴で投与するので随分時間や人がかかりそうです。一部屋につき経過観察も含め1時間程度時間を取られてしまう。一つ一つの部屋を回るという事で相応の人員が必要。東京都医師会の尾崎治夫会長によりますとどうしても時間や人材の不足があるので。今後今後環境を整備していくのがポイントになってきますね。

(林美沙希アナウンサー)
軽症の方を重症化させないということで期待できるんですが、ただでさえ人手が足りない状況ですので早めに考えないといけないと思いますね。

(大木アナ)
環境が整備されれば大きな希望の光になりそうという事で、管菅総理は「臨時の施設を整備して患者の重症化を防いでいきたい」と話していました。以上、今日のトレバズでした。

(「スーパーJチャンネル」8月16日放送分より)

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