週刊文春“中づり広告”終了へ 理由は大きく2つ[2021/08/17 19:43]

とれたてのバズった話題をお届けする「トレバズ」のコーナー。

(大木優紀アナウンサー)
週刊文春が中づり広告を終了するというニュースが飛び込んできました。ここから見えてくる時代の変化を読み解いていきたいと思います。

週刊文春の編集部によると、電車の中の中づり広告は残り2回、8月26日発売号を最後に終了するそうです。この青と赤の中づり広告ついつい見ちゃいますよね。

(小松靖アナウンサー)
見ますよ!私は、電車に乗って中づり広告があったら欠かさず見ます。

(林美沙希アナウンサー)
私も結構見ますね。割と全部見ています。ぼーっと上を見ることも多いですし。

(大木アナ)
柳下さん、若い世代はどうですか?

(柳下圭佑アナウンサー)
私は、コロナ前に満員電車で押し流されて、ちょうど目についた時に読みこんだことはありました。そんなには見ないかな。

(大木アナ)
もしかしたらちょっとずつ見なくなっていたのかな…というところですね。SNSでは「さびしい」「時代の節目を感じる」「通勤電車で世の中の流れを見ている部分もあるから無くしてほしくない」なんて声も。

撤退の理由は主に2つです。まずは「締切のタイミング」。中づり広告の締め切りが月曜の夜、そして誌面の締め切りが火曜の夜。ということはこの間にビッグスクープがあったときにもう誌面が空けられないという事が多々あったんですって。さらに中づり広告を見て雑誌を購入した人が、内容が変わっていて返金を求めるなんてことも出来ちゃうそうなのでこの締め切りタイミングの違いはこれまでもネックになっていたそうです。

(小松アナ)
中づりは1日締め切りが早いんですね。

(大木アナ)
そしてもう一つの理由、これが時代を反映しています。「電子版に経営資源を投資するため」。
これまで中づり広告に使っていた宣伝費を電子版に使っていくそうです。

では中づり広告の宣伝費がどの程度かというと・・東京では東京メトロ丸の内線や日比谷線など5路線で1700枚。この枚数ですと2、3日掲載すると、大手広告会社の人に聞いたところ約128万円かかるんですって。結構な額にはなるんですよね。

(小松アナ)
これ調べたんですか?大木さん。

(大木アナ)
広告会社に取材させていただいて、実際週刊文春がいくら使っていたかはわからないんですが、大体このくらいじゃないかなという金額を教えてもらいました。

(小松アナ)
中づりを見てこれだったら読みたい!と思って買いに走ることを考えると、これくらいの宣伝費だったらペイするんじゃないかなとすら思ってしまいました。

(大木アナ)
ただ、今中づり広告を選ぶ企業が減っています。その理由が納得なんですよ。一つ目の変化が「人々の目線」です。今、みんな電車の中で下を向いてません?そう、スマホを見ている方がほとんどなんです。

(小松アナ)
そう?私は噂好きの民放局員なので中づりは必ず見ますから。中づりがあるとウキウキしちゃって。そして同僚の名前がないかチェックしてなければほっとする。

(大木アナ)
中づりに同僚の名前がなければ、スマホに目は戻る?

(小松アナ)
はい。

(大木アナ)
それは小松さんの性格かもしれませんね。

ただ、確かに地下鉄に乗っていても、目の前に座っている人たちが一列全員スマホを見ていること結構ありますよね。

(林美沙希アナ)
もうほとんどの人がスマホ見てますね。

(大木アナ)
だからやっぱり中づり広告に目がいく機会が減っているんです。

そして中づり広告を出したい企業が減っているもう一つの理由がこちら。結構、中づり広告の中で多かったのが季節のセールの広告だったんですって。ショッピングモールなどの「夏の大セール開始」みたいな。でもこういった分野のものがコロナの影響で減ってしまっているのも一因だそうです。

(小松アナ)
やっぱりコロナなんですね。

(大木アナ)
そんな鉄道広告の世界なんですが、今大きな変革が起きています。それが「デジタルサイネージ(電子広告)」なんです!最近新しい車体だとありますよね。この「デジタルサイネージ」には大きなメリットがあるんです。まず中づり広告ですと一つの場所に一社のみ。付け替えなども人手がかかります。一方でこの「デジタルサイネージ」は時間単位で複数の企業を紹介でき、さらに時間帯を分けてターゲットを狙いにいくことも出来ます。例えば、通勤時間帯の広告は通勤の会社員向け、夕方は買い物に行く主婦向けに。だから今注目されているですね。

(柳下アナ)
なるほど!

(小松アナ)
大木さんの説明を聞いて今思いましたけど中づり自体が減ってません?しかも週刊誌の中づりは確かに減ってる気がする。

(林美沙希アナ)
そうかもしれないですね。

(大木アナ)
電車の中にも時代の流れが来ているということなんですね。ただ、スマホだけじゃなくてちょっと目を上げていると、今まで自分には届かなかった情報があるかもしれません。少し目を上げてみようかなと思う話題でした。以上、今日のトレバズでした。

(「スーパーJチャンネル」8月17日放送分より)

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