予報士のつぶやき「二百十日」今後の台風どうなる[2021/08/31 13:49]

▼夏目漱石にも影響 「二百十日」の風

きょう8月31日は雑節の「二百十日」。
立春から数えて二百十日目という意味で
古くから経験的に、台風が襲来しやすい日とされています。

『二百十日』という夏目漱石の小説があります。
小説の中では主人公の二人が嵐に遭い
阿蘇山登山を途中で断念するという話なのですが、
夏目漱石自身も、1899年の二百十日前後に阿蘇山登山を試み
天候不良によって途中で遭難した経験があるそうです。

当時の天気図をみると台風かどうかはわかりにくいですが
九州の近くには低気圧が表現されていて、その影響を受けた可能性があります。

▼首都圏・関西 近年の台風被害は9〜10月

8月31日正午現在、北西太平洋に台風は発生していませんが、
9〜10月に発生する台風は、日本に近づくコースをとりやすいため
早めに台風対策を見直しておくと良さそうです。
秋の台風は移動速度が速く風による被害も出やすいため
大雨だけでなく、暴風への対策も確認しましょう。

実際に近年も、9月以降の台風で大きな被害を受けています。
2018年の台風21号(関空の浸水をもたらした)や台風24号、
2019年の房総半島台風、東日本台風などです。

▼地球温暖化で今後の台風はどうなる?

台風について、先日発表されたIPCCの第六次報告書では
どのような言及があったのか、抜粋して紹介します。

 非常に強い熱帯低気圧の割合と
 大部分の非常に強い熱帯低気圧のピーク時の風速は、
 地球規模では、地球温暖化の進行に伴い
 増加すると予測されている。(IPCC AR6/WG1 SPM B.2.4)

仮に今年は台風の襲来がなかったとしても、
長期的に考えて防災用品を準備しておくなど
リスクマネジメントをしておいて損はないと思います。

テレビ朝日気象デスク 千種ゆり子

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