予報士のつぶやき 東京湾の青潮の原因はブルブル[2021/09/09 10:40]

東京湾で青潮が発生した。
見た目はキレイだが匂いはキツイし、魚にとっても苦しい海。

30歳まで千葉市の沿岸近くに住んでいた筆者は
たびたびこの光景と異臭を体験していて、
青潮の映像を見るたびに匂いの記憶までよみがえってくる。

青潮になると海水の酸素が少なくなるので、
エイなど大きな魚が表層付近を泳いでいるのもよく見かけた。

青潮という現象は天気と大きく関りがありポイントとなるのは「風」
9月に入ってから関東は日差しがほとんどなく肌寒いくらいの気温が続いたが、
これは北東風が吹いた影響。この風が東京湾を何日も吹き抜けて青潮が発生したのだ。

北東風は海水の上層部分を千葉県沿岸から東京湾の沖へと押し流す。
こうなると千葉県側では流された上層の海水を補うために
底層の海水が上がってくるという海水の循環が起こる。

底層の海水には硫化水素が含まれていて、
この海水が空気と触れることで“海が青白く見える”といわれているのだ。

青潮は初夏から秋の初めころ、半袖で過ごす時期に北東風が吹き続き発生することが多い。
つまり半袖の時期にブルっと肌寒さを感じ、数日長袖で過ごすことになった場合、
東京湾(千葉県側)は異臭を放ち青白く変色し、魚たちが息苦しさを感じている可能性があるのだ。

テレビ朝日気象デスク 太谷智一

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