ミュー株に中和抗体「ほぼ効果ない」最新研究で判明[2021/09/08 23:30]

南米で主流となっている『ミュー株』について、東京大学医科学研究所は、体内で感染や重症化を防ぐ“中和抗体”の効果がほぼないとする分析結果を発表しました。

東京大学医科学研究所・佐藤佳准教授:「感染して治った方とファイザーのワクチンを打った方の血清を使って検討したが、どちらも中和抗体が効きづらい結果だった。一番、効かないといわれていたベータ株よりもミューの方が効かない」

佐藤准教授によりますと、新型コロナウイルスの従来株や変異株に対する中和抗体の働きを調べたところ、ミュー株については、他の変異株と比べ、最も効果が低かったということです。一方で、佐藤准教授は「ワクチンによって中和抗体以外にも『免疫の記憶』や『細胞性免疫』などが高まるため、ワクチンが全く効かないという意味ではない」としています。ミュー株をめぐっては、国内でこれまでに2人の感染が空港検疫で確認されています。

◆政府の分科会のメンバーで、日本医師会の常任理事を務める釜萢敏さんに聞きます。

(Q.このミュー株、国として、どう備えるべきとみていますか)
日本では、検疫で数例、見つかっています。これまでは、デルタ株を見つけることに注力していましたが、今は、置き換わってきましたので、これからは新たな変異株をしっかり把握できる体制の確立が必要だと思います。

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