予報士のつぶやき 異例肌寒さ一方 14号猛烈台風に[2021/09/09 14:45]

9月に入り、関東地方は異例の肌寒さが続いている。

今月に入って、東京都心の最高気温が25℃未満となったのは、きょう(9日)で8日目。9月上旬にこれだけ気温の低い日が多くなるのは、実に1908年以来、113年ぶりのことだ。蝉の鳴き声はパタリと消え、夜は秋の虫が大合唱。夏が遠い昔のようにも感じられる。

そんな関東とは一変、夏真っ盛りといった状況なのが沖縄や奄美。こちらは真夏日と熱帯夜が続いている。さらには6日、気象庁から「高温に関する早期天候情報」が発表され、来週も気温が平年より高い状態が続くとみられている。

暑さの原因は、例年より西へ張り出しを強めている太平洋高気圧だ。9日時点では日本の南〜沖縄周辺〜中国大陸を広く覆っている。当然、陸地だけでなく海の上も暑いので、高温の空気に接する海面の水温も高い。

海面水温の高さは台風発達のエネルギーになる。9日には、フィリピンの東、海面水温30℃以上の海域を進む台風14号が、最も強い勢力である「猛烈な台風」に発達した。

台風14号はこのあとフィリピンの東を北上し、12日頃、沖縄の先島諸島に接近する恐れがある。通り道となる海域も水温が高いため、あまり勢力を落とさない。沖縄の先島諸島では大雨や暴風、高波、高潮に厳重な警戒が必要だ。

その後の台風の進路についてはブレ幅が大きいが、九州などに接近する恐れもある。

九州や四国、本州、北海道への台風の接近数の平年値をみると、9月が1.9個と年間で最も多く、まさにこれからが台風シーズンである。来月にかけては、台風が来るものと考えて、早めの備えをお願いしたい。

テレビ朝日気象デスク 藤枝知行

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