独自検証“エアロゾル感染”換気に効果的な家電とは[2021/09/12 22:30]

感染者数が減少傾向にある一方で深刻なのが家庭内感染です。どうすれば防ぐことができるのか。カギを握る“空気”の流れを独自検証しました。

▽“空気中を漂う”粒子で感染も 独自検証“エアロゾル感染”
暗闇に映し出された、無数の光―。声を発したことで出る微細な粒子『エアロゾル』です。
特殊な装置を使って見ると、エアロゾルは次第に広がりながら、3分以上経っても漂い続けました。
(新日本空調ソリューション事業部 友成睦也氏)「大きいものは重力の影響で重力沈降して下に落ちる。ただ、マイクロレベル(1/1000mm)の小さいものですね、ちょっとした気流に乗って何メートルでも空間の中に到達しうる。」
口から出た粒子は水分を含み、大きなものは早く落下します。しかし、水分が蒸発した小さな粒子“エアロゾル”は、長く空気中を漂い続けるのです。実は、これが新型コロナの感染を広げているといいます。
(東北大学 本堂毅准教授)「エアロゾル感染が主流であるのはCDCとかWHOとか著名な機関も公式に認めているという状況ですので、今の時期に感染を防ぐための色々な措置をしておく必要があると思う。」
12日、東京の新規感染者は、1067人と減少傾向にありますが…
家庭内感染の割合は増えています。感染経路が分かっている人の内、70%近くが“家庭内”での感染です。

▽エアロゾル感染「家庭内」のリスクは
家庭内で感染はどのように広がるのか…番組では20畳ほどの部屋を使い、専門家の協力で“エアロゾル感染”のリスクを解析しました。
((株)環境シミュレーション阪田升代表取締役)「ここに座っていて呼気を吐く?」
(工学院大学(建築環境) 柳宇教授)「ふつう家庭内ではマスクもしないし、会話もふつうにしていますし、一緒にいる時間も長い。従って感染のリスクが上がる」
シミュレーションは4人家族を想定。ダイニングテーブルに座る父親が感染していたとして行いました。
解析は、人体からの熱なども考慮し、窓を閉め切り、エアコンを切った状態で実施。すると…
父親から出たエアロゾルは、体温の上昇気流に乗って上に上がり、ダイニングに充満。
30秒後には、母親がいるキッチンに入り込みます。1分を過ぎると、床を這った粒子がソファーに座る子供にまで達する結果となりました。
エアロゾルの濃度はどうなのか?
(工学院大学(建築環境) 柳宇教授)「赤ければ赤いほど(エアロゾルの)濃度が高いことを意味していまして、やはりこの(感染源に)近い所の濃度が高い。もしこれがせきとかくしゃみになってくると、もっと濃度が全体的に高くなり、長くいると暴露量がどんどん増えて、やがて感染するリスクが高くなる」
先日、柳教授をはじめ感染症や物理学などの専門家38人が、政府や自治体に向けて出した“緊急声明”。
新型コロナは、“エアロゾル感染が主な感染経路”であり、これまでの飛沫や接触感染に重きを置いた対策を見直す必要があるというものです。
(東北大学 本堂毅准教授)「色々研究が進んでいって、エアロゾル感染もすることがだんだん分かってきたにもかかわらず、 (感染)対策が去年の3月とあまり変わっていない。」
エアロゾル感染のリスクを少なくするためにはどうしたらいいのか…
柳教授は、どこの台所にもある家電が、大きな効果を発揮すると言います。
(工学院大学(建築環境) 柳宇教授)「レンジフードは (吸い込む)風量が大きいんですよね。相当な換気量が得られる。向こうの窓を少し開けると新鮮な空気がたくさん入って換気が十分得られる」
では、レンジフードをつけて、窓を少し開けた場合はどうなるのか?
吐き出されたエアロゾルは、いったん上昇するものの、レンジフードの吸引力と、開けられた窓からの気流によって、キッチンへと流れ、リビングには届きません。
感染対策の基本とも言われる『換気』。
窓は、『2つの方向にあるものを1時間に2回以上、数分間程度開けることが良い』とされています。 
しかし、柳教授は、エアロゾル感染ではこのやり方に疑問が残ると言います。
(工学院大学(建築環境) 柳宇教授)「30分に1回だと、閉めた後の30分で(エアロゾルが)高濃度になる可能性があるので、常時開けたほうが良い」
窓を開ける幅にも注意が必要です。
「一般的に5cmから10cmと言いますけど10cmぐらいこぶし1つ分ぐらい開けて、換気扇(レンジフード)をオンにすれば、風(空気)は流れていく」
緊急声明では、マスクの素材についても言及しています。
「マスクの材質によって、ウイルスの通り易さも全く違いますので、ですからウイルスの通りにくいマスクを、しかも隙間のないように着けることが大事である」
材質によって、どれだけ違いがあるのか?
『布』『ウレタン』『不織布』、3種類のマスクを着け、漏れの差を見てみました。
ウレタンと布のマスクには、多くの漏れがあったものの、隙間がないように着けた不織布マスクでは、エアロゾルが見られませんでした。

▽苦境いつまで…「宣言延長」と「制限緩和」
これまで、徹底した換気など感染対策をし、ずっと時短要請や酒の提供自粛を守ってきた居酒屋。
「マグロ丼食べ放題」のイベントで、満席。店内は、活気に満ちていましたが…
Q.今ほとんど何もない状態ですか?
(鰓呼吸中目黒店 橋本知浩さん)「明日から休業に入りますので、きょうはある食材だけで営業している状況です。」
緊急事態宣言が延長されるのを受けて、“苦渋の決断”を下したのです。
「居酒屋はやっぱりお酒を売って、利益が多少乗っかってくる部分もあるので、また(宣言が)延長になる可能性もなきにしもあらずですし、いったんちょっと営業を区切ろうかなっていう決断です。」
宣言延長の一方で、政府は、ワクチンの接種証明などで認証された飲食店では、酒の提供を認めるなど“行動制限の緩和”を検討しています。
「また緊急事態ですとか、酒類提供ダメです…何かそんなことの繰り返しだったので、週末の会見で“来週から規制です”その度に業者に連絡をして入荷を止めて、(緩和を)やるのであればちゃんと継続して営業できる状況で取り掛かりたい」


9月12日『サンデーステーション』より

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