【独自】保健所に自ら4回電話…療養中死亡の男性[2021/09/22 12:10]

 東京・杉並区で、保健所がコロナ療養中の男性の安否確認を不十分なまま打ち切り、その後、男性が死亡した問題で、打ち切られた翌日に男性が保健所に連絡をしていたことが分かりました。

 先月上旬、杉並区のビルの店舗内で1人で療養していた40代の男性が死亡しているのを家族が見つけました。

 杉並保健所はこの数日前、男性に7回電話を掛けてもつながらないなどの理由で、家族や警察に連絡しないまま、安否確認などの対応を打ち切っていました。

 今月7日になって、杉並区長は、緊急連絡先や療養先などの情報を見落とし、確認が不十分だったとして、家族に謝罪しました。

 その後の取材で、携帯電話の通話の記録などから、男性が療養中、4回にわたって保健所に電話を掛けていたことが分かりました。

 保健所が安否確認を打ち切った翌日の先月6日も、男性は午前9時すぎに連絡をしていました。3分半近く通話をした形跡がありますが、保健所の対応は再開されず、男性はその後、遺体で見つかりました。

 療養中に男性が家族に送ったLINEには、「こっちから掛けても折り返しを待って下さいと言われる」と書かれているなど度々、保健所の対応について不安を訴えていました。

 杉並区はANNの取材に、「男性から架電があった記録は、現在、確認できていない」などとしています。

(社会部 油田隼武、石塚翔)

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