「多様な個性を」高齢女性だけの展覧会が描く未来[2021/09/22 23:30]

東京・六本木の森美術館で開かれている『アナザーエナジー展:挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人』が大きな話題を呼んでいます。

展示されているのは、72歳から106歳までの女性アーティストの作品約130点で、彼女たちの多くは「女性」だという理由で評価されなかったといいます。

『アナザーエナジー展』を手掛けたのは、初めて森美術館の女性館長となった片岡真実さんです。

片岡真実さん:「50年以上、信じる道を美術館やマーケットに評価されなかったとしても、自分の道を歩んできたこと自体が、どういうエネルギーなのか?特別なエネルギーがこの人たちにあるなと。それが何か探りたいし、見に来た人も考えてほしい」

この展覧会を手掛けたのは、現代美術界に変化が訪れているからだといいます。

片岡真実さん:「白人で欧米の男性を中心に作られてきた美術の歴史が大きく多様化しようとしている。年をとってきたら『こうしなければいけない』とか、女性なので『こうなんじゃないか』をぶっ飛ばしてくれる」

美術家・三島喜美代さん(88)は、1970年代初めから、氾濫する情報やゴミを陶器で再現する作品に挑んできました。その原動力はどこから生まれるのでしょうか。

三島喜美代さん:「好奇心かな。パッと見て『あれ面白いな』と思って『面白いな』という好奇心。それをずっと持ってますから。作品に生きていますから。それがなかったら人生面白くないね」

周りの評価を気にせず、ただ好奇心のままに創作を続けてきた三島さん。性別や年齢を超えた一人ひとりの『個性』こそが未来を切り開いていく、といいます。

片岡真実さん:「女性・年齢・日本人など、社会的なアイデンティティーで人間をくくっていった時に、逆にそれを閉じ込めているのではないかという思いもあるので、それ(女性など)を入り口にしながら、最終的には『個』の問題で。バラバラな人たちが、そのまま、生まれたままに生きることができるような、それでいて、地球全体がうまくバランスを取っているような、そんな未来が来たらいいな」

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