選択肢ないのおかしい…英国で同性婚の日本人に密着[2021/09/23 22:30]

今週、イギリスで、日本人のKanさん(29)と、パートナーのTomさん(27)が結婚式を挙げました。

自らが“ゲイ”であることをオープンにしていたKanさんは、大学生時代、いつも多くの人に囲まれている人気者でした。SNSのフォロワー数は4万人を超え、世界で絶大な人気を誇るリアリティー番組に出演したこともあります。
Kanさん:「自分らしく生きていいと思えるようになったのも大学時代」

そんなKanさんですが、“男女”でしか区別されない学校生活に馴染めず、不登校の時期もあったといいます。
Kanさん:「体育の授業に出られない理由が、着替えるのが怖いとか、ジェンダーの現れる場所で、不安になることが多かった。何に自分が違和感とか不快感とか、恐怖を感じているかわからなかった。だからこそ怖かった」

最愛のパートナーとなるTomさんと付き合いはじめたのは5年前。Kanさんのイギリス留学がきっかけでした。帰国後、2人は、お互いの国を行き来しながら交際を続け、結婚を考え始めます。しかし、日本では今も同性婚は認められていません。

「日本で結婚したい」。同性婚が認められるように、2人はSNSなどで声を上げ続けてきました。

そんななか、新型コロナウイルスの感染拡大により、イギリスから日本への入国は“家族”に限られてしまいます。家族ではないTomさんとは、1年半以上、会うことができなくなってしまいました。
Kanさん:「国際結婚できている“異性カップル”なら何とか行き来はできる。でも僕たちは絶対にできない。必然的に日本で結婚できない状況なので、イギリスで結婚しようと判断した」

ともに人生を歩むためには、生まれ育った日本を離れるしか選択肢はありませんでした。しかし、最愛の人に会うためには、多くの“犠牲”も払わなくてはなりません。
Kanさん:「パートナーと会えるのはうれしいけど、友だちとお別れしないといけないのは悲しいし、自分の人生の決断のなかに、選択肢がないのは、どうしてもおかしい。それは僕だけではなくて、日本に残されている人たちもいて、その人たちも同じ気持ちでいるし、こうやって密着していただいて、お伝えをしないと届かない。何でだろうな」

家族、友人、仕事と、すべてと別れ、降り立ったロンドン。待ち焦がれていた、Tomさんとの新生活です。デートをしていて感じる“日本との違い”について、Kanさんは、こう話します。
Kanさん:「僕たちが手をつないでいようが、何してようが、あんまりみんな関係ない。気にしない印象はある。イギリスのほうが、トムちゃんと外出して歩きやすい。手をつなごうと思えば簡単につなげるような環境」

それでも、手放しに喜ぶことはできません。
Kanさん:「同性、異性、愛し合っている2人。でも、それが認められるかどうかって、その国とか制度によって決まる。国を出ないと、自分が好きな人と結婚できないような状況にあるのは、変わるべきだと思っている」

イギリスに渡って2カ月。結婚式当日を迎えました。イギリスで初めて、KanさんとTomさんは、家族になることができました。ただ、2人にとって、これはゴールではありません。
Tomさん:「結婚することができて、とても幸せ。でも、日本では、同性婚が全面的には認められていない。いつか日本でも結婚式を挙げたい」
Kanさん:「これからも、僕たちだったり、日本で結婚したい人たちが日本で結婚できるように、その選択肢が得られるように、一緒に声を上げていけたらいいな」

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