宣言期限まで4日…ギリギリ判断に翻弄される飲食店[2021/09/26 23:30]

緊急事態宣言の期限があと4日後に迫る中、都内の飲食店は2カ月半ぶりの営業再開に向けてギリギリの準備を進めています。

▽“宣言解除”あと4日 解除への期待と不安
(佐々木一真アナウンサー)「緊急事態宣言の期限まで残り4日となりました。そして今、東京都の新規感染者数が発表されました。きょうは299人、減少傾向が続いています。」
東京の新規感染者は299人と、35日連続で前の週の同じ曜日を下回りました。
緊急事態宣言の期限は今月30日です。
(渋谷にいた人々)
「感染者数も落ち着いてきてるので、解除でもいいのかなと思いますけど」
「一番上の子どもが12歳なので、これからワクチン接種をさせようかどうかって悩んでいて、このまま解除で大丈夫かなって」
26日、埼玉県の大野知事は…
(埼玉県 大野元裕知事)「緊急事態宣言の解除が適当であることについては、政府側との協議のなかでは、我々としては表明をさせていただいてるところであります。」
その上で、1都3県の知事は、飲食店への“時短要請や酒の提供禁止”などを段階的に緩和する具体案を「基本的対処方針」に明記するよう、国に求めました。

▽“ギリギリの決定”翻弄される飲食店
飲食店は準備に追われていました。
東京・鶯谷の焼肉店。これまですべての要請に応じ、今回の宣言中は休業していました。
(焼肉ほるもんスタジアム 横川真代表)「ここはもうスッカラカン。普通に考えて(準備は)1週間かかる」
政府のギリギリの決定にいつも振り回されてきました。
「前々から思っているんですけど(決定が)遅いんですよ。一番気になるのはアルコール提供時間」
解除されても、どう緩和されるのか分からない中、店主はお酒のメニューを大幅に減らす決断をしました。
「たぶん営業時間の制限は入るだろうから、ホールのオペレーションの簡略化をしていく」
更に、2カ月半休業している間に肝心の肉の仕入れにも大きな変化が…
「来週から発注するとしたら無いものとかってある?牛タン?!いくら?うっそ!マジで!?高いな!」
「入ってくる量が少ないのよ、コロナで」
牛タンは倍近い値段に…。しかし、値上げはしたくないといいます。
「個人店の発注って難しいんですよ。曜日とお客さんの顔を思い浮かべて発注していくんですよね…」
久しぶりの営業再開。常連客が戻ることに期待を寄せますが…。
「10月1日から営業するってなったとき、1週間ぐらいは(お客さんが)来るんですよ。その後、2週目ですよ。どうでるかなぁ…」

2週間前に宣言が解除され、まん延防止等重点措置に移行した宮城県。
“酒の提供”が解禁された仙台の繁華街を訪れてみると…
「週末のこの時間帯、もっと多くの人が行き交うのですが、歩く人の姿はまばらです。」
仙台市で酒が提供できるのは、県が感染対策のお墨付きを与えた“認証店”だけです。
(「桃水」女将 山口裕子さん)「最近はおニ人三人くらいが、多くて四名様」
大人数での接待が多かったというお店。今は、人数制限があるため、客足は戻っていません。さらに…
(「桃水」女将 山口裕子さん)「大変申し訳ないのですが、お酒の提供が19時までなので…」
(常連客)「19時でオーダーストップというと、きょう(店に)行けるか行けないかという話になっちゃうので」
(「桃水」女将 山口裕子さん)「売り上げの半分くらいがお酒の売り上げなので、やはりその分、売り上げも前よりは格段に低くなっています。」
そこで、女将が始めたのは…
「電話だともう直接になってしまうので、押し付けがましいので…」
慣れない手つきで常連客にメッセージを送り、お勧め料理の紹介も始めました。
「短い時間で申し訳ございません。」
今月30日が期限の「まん延防止」。解除で制限の緩和を望む一方、“第6波”への不安も…。
「ご予約の数はこれからそうやって解除になれば増えてくると思うので、やはり密になってしまっては良くないと思う。そこが悩みどころですね。」


9月26日『サンデーステーション』より

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