リハビリ病棟からコロナ病棟へ“全床転換”裏側密着[2021/09/30 23:30]

東京都中央区にある石川島記念病院では27日、リハビリやイベントを行うスペースが、コロナ治療を行う専門病棟に切り替わりました。

コロナ病棟への転換が決まったのは8月。都内の病床はひっ迫し、入院できなかった感染者が相次いで亡くなっていました。

約20人の看護師を束ねる、看護師歴40年以上の丸山恭子さんはこう話します。
看護部長・丸山恭子さん:「医療を受けられなくて亡くなるというのは、すごく悲しいことだと私は思う。そういったところを、少しでも減らしていければと」

今回の転換にあたり、リハビリ患者用に使っていた47床のベッドを18床に減らし、すべてコロナ病床とします。これまで入院していたリハビリ患者全員が、転院や退院をしなければなりません。

転換の6日前、4月から入院していた70代の患者が転院の日を迎えました。
転院する患者(70代):「居心地も良かったですし、皆に親切にして頂いた。向こうへ移るのも仕方がないことだと思うが、こちらで完治して退院したかった」
看護部長・丸山恭子さん:「急に『転院してください』ということだったので、いつもは『おめでとう』という形で送っているけれども、頑張って頂きたいという思いでいました」

これまでリハビリ患者に対応してきた看護師にとって、コロナ患者と向き合うのは初めてのことです。
看護部長・丸山恭子さん:「スタッフが、コロナ専門病院に変わるにあたって、色々な不安とか質問事項を書いてもらっています。ワクチンを打っても感染するということは言われていますので、そういった心配をしている」

感染への不安だけではありません。リハビリ専門だった時には扱っていなかった機器にも触れなくてはいけません。
7年目の看護師:「人工呼吸器を使ったことが、ほぼないような形で。研修を受けて、これから慣れて使っていけたら」

今月27日、コロナ専用病棟として、新たなスタートを切った石川島記念病院。通路には「レッドゾーン」を示すシートが敷かれ、スタッフステーションの前には、ICUに近い機能を備えた病室も整備されました。

看護部長・丸山恭子さん:「きょうから始まるという新たな気持ちと、感染の病棟を引き受けた以上、きちんと患者さんを安全にみていけるように、対応していかなきゃいけない」

都内の感染者は減少傾向が続いています。30日までに受け入れたコロナ患者はまだ3人です。それでも重田洋平院長はこう話します。
重田洋平院長:「職員もいきなり重症患者がたくさん入ってくると困惑してしまうので、少し落ち着いた状況から始められる。第6波に備えるという点で、十分な意義があると思います」

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