予報士のつぶやき 台風の風速と大谷選手の球速[2021/10/29 18:25]

■台風20号 小笠原諸島に直撃
台風20号は、28日夜遅くに小笠原諸島の父島に最も接近しました。
小笠原諸島では28日夜から雨風が強まり、
父島では、36.3mの最大瞬間風速を観測し、
一部で倒木などの被害も出ました。

■風速の感覚と被害の目安は?
ニュースや天気予報で、風速〜メートルという
表記をよく見聞きすると思いますが、
風速のイメージがつかない、
という人は多いのでないでしょうか。
風速の感覚と被害の目安は、
気象庁のホームページには以下のように記載されています。

やや強い風 (平均風速 10m〜15m)
風に向かって歩きにくくなり傘がさせない。樹木や電線が揺れ始める。

強い風   (平均風速 15m〜20m)
風に向かって歩けなくなり、転倒する人も出る。看板やトタン板が外れ始める。

非常に強い風(平均風速 20m〜30m)
何かにつかまっていないと立っていられない。看板の落下や飛散、道路標識が傾く。

猛烈な風  (平均風速 30m〜)
多くの樹木が倒れ、電灯で倒れるものもある。住家で倒壊するものもある。

ちなみに、最大風速は10分間の平均風速の最大値を指し、最大瞬間風速は3秒間の平均風速の最大値を指します。

■台風20号の風速は大谷選手が投げるボールより速い予想だった!?

大谷翔平選手が、選手たちの投票で決まる年間最優秀選手に
日本人選手で初めて選ばれました。
今シーズン、大谷選手は投打の二刀流として
めざましい活躍を見せてくれましたね。
ここで、さらに風速のイメージを深めるため
(人によってはイメージできないかもしれませんが…)、
大谷選手が投げる球速と風速を比べてみます。
大谷選手の最高球速は165kmで、
これを風速に換算すると、45.8mになります。
台風20号の通過に伴い父島で観測した
最大瞬間風速36.3mで、
大谷選手が投げるボールよりは遅かったようです。
(ちなみに約130kmで、これは高校野球のピッチャーが投げる球速のイメージです。)
また、今回の台風20号で予想されていた
最大瞬間風速は55mで、大谷選手が投げるボールより速い予想でした。
大谷選手が投げるボール以上の風速が吹いていたら、
もっと被害が出ていたかもしれません。
風速を様々なものと比べてみると、イメージが膨らみます。
風を甘く見ず、万全の対策をしましょう。

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