予報士のつぶやき 雷を電力にできないのか?[2021/11/02 14:06]

イギリスでCOP26が開幕しました。
気候変動対策で脱炭素技術が注目されますが、
皆さんが誰でも知っていて、
毎年目にする膨大な脱炭素エネルギーがあります。雷です。


▼雷のエネルギーは一般家庭の2カ月分
気象庁によると
一回の雷放電で消費されるエネルギーは
15億ジュールと推定されていて、
家庭用電力量の約2カ月分に相当するそうです。

また、雷の観測・情報提供などを行っている
株式会社フランクリン・ジャパンによると
日本では年間平均で約67万回の落雷が起こっているとのことです。

これだけのエネルギーをうまく使うことができれば
脱炭素に近づくことができそうですが、
現在はまだ技術が確立されていません。

▼雷の電力化を阻むもの
雷の電力化を妨げる要因として
以下のようなものがあるようです。

〇エネルギーの大部分が電波や光、音として失われてしまう
 →放電前の空中で捕捉する必要がある
〇雷の膨大なエネルギーを受けられる装置がない
 →装置が壊れてしまう
〇いつどこに雷が落ちるか分からない
 →装置を設置できない


▼将来はデロリアンも夢ではない?
まだまだ難しい雷の電力化ですが、
夢の実現に向けて
世界中で様々な研究がなされています。

映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の
デロリアンのようなマシンも
(タイムマシンができるかは別として)
消して夢ではないかもしれませんね。


テレビ朝日気象デスク 森口哲夫

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