東京ヘリ撮50年 玉電が渋谷の路面を駆けたころ[2021/11/19 19:30]

今年、2021年3月の渋谷です。
カメラは渋谷駅に寄ってゆきます。中央の黒っぽい建物が渋谷スクランブルスクエアで、高さはおよそ230メートルあります。
その右手に見えるのが渋谷ヒカリエ、手前が渋谷ストリーム、左奥が渋谷マークシティ、その手前のベージュの細長い建物ががセルリアンタワー、さらに左に渋谷ソラスタが見えます。
ビル群が上へ上へを目指す一方で、鉄道はどんどん地中深くもぐります。
いちばん新しい東横線・副都心線の渋谷駅はおよそ30メートルの地下にあります。
ビルのてっぺんとの差は300メートルにも!去年閉店した東急東横店西館が見えてきました。

変わって1968年、昭和43年の正月むけに撮影した渋谷です。
中央が東急東横店です。山手線の左側、東館は渋谷川をまたいで建っています。
忠犬ハチ公に寄っていきます。わかりますか?東急東横店西館です。
手前左側から井の頭線からの通路、玉川電車の線路、地下鉄銀座線の線路です。
山手線と東横線の渋谷駅ホームは2階です。
山手線をまたいで、3層の連絡通路が見えます。
画面右上、現在のスクランブル交差点はふつうの交差点です。
ただこの地下には、当時から商店街を備えた通路「しぶちか」があり、この時すでに10年の歴史がありました。
ふたたび井の頭線ホーム、玉電線路、銀座線の車庫が見えてきました。
銀座線は宮益坂上をすぎたところで姿を現します。
道玄坂上では井の頭線が地上に現れ、路面電車だった玉電は専用軌道を下って渋谷駅に入ります。
玉電が地上を走っているのが見えます。
渋谷という街は、西から東から、地上や地下をまたいで行き着く街だったのです。
カメラは今度は道玄坂を下っていきます。
大きな映画館のビルの斜め前の角が、いま109が建っているところです。
そしてその奥に「恋文横丁」と呼ばれる一角が広がっていました。
現在の文化村通りです。
開店したばかりの東急本店の上を通り、栄通りを進みます。
画面上が円山町です。渋谷の花街で1980年代までは見番がありました。
今も芸者さんが元気に活動しているそうです。
陸橋が見えてきました。この道路がつながったことで山手通りが1本の道になり、画面を左右に走るこちらの道は「旧山手通り」と呼ばれるようになりました。
旧山手通りを南東に進みます。横切った大通りは玉川通り国道246号です。
上空から見る限り、この一帯は当時もおしゃれな街だったようでする。
南平台の街並みです。
しっかりした一戸建てが並ぶいっぽうで、企業の社宅や公務員住宅の4階建て程度の建物も目立ちます。
南平台の住民も利用しただろう東急百貨店ですが、東横店東館は2013年3月、西館は去年2020年3月に閉店。
本店も再開発のため2023年1月での閉店が予定されています。
道玄坂に代わって幹線道路になった国道246号にまた戻ってきました。
ふたたび道玄坂上です。玉電が見えます。
ヘリコプターはゆっくりと旋回します。
たくさんの車が流れる246号を東へ進み、渋谷駅の方向に下ります。
現在の渋谷ソラスタの場所には、すでに大きなビルが建っています。
画面右上から見えてきた「エンパイヤ」と書かれたビルは、元は力道山のリキスポーツパレスです。
その手前は首都高速3号線の終点です。
この当時の首都高3号線は渋谷の谷を跨ぎ越えるだけの、わずか1キロほどの道路でした。
画面上には地上3階を走る地下鉄銀座線も見えてきました。

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