流行語“NFT”小学生の絵が170万円で落札!?[2021/11/21 22:30]

今年、新語・流行語にもノミネートされた言葉“NFT”。デジタルの新技術として、よく聞くようになりました。
私たちの身近なところでも、変化が始まっています。

「こちらは290万円から参ります!290万円!290万円!300万円!300万円!」
熱気に包まれる、アートオークション!
「それではこちらで落札します、730万円!」
高額で落札された、こちらの映像作品…実は、ただのアートではありません。
新技術“NFT”が使われているのです。
今デジタルアート界に、空前のバブルをもたらしている“NFT”。
その力は、アートの世界を越え、私たちの未来をも、変える可能性があるのです。
デジタルアートを専門に活動する、せきぐちあいみさん。その作品は…
(VRアーティスト せきぐちあいみさん)
「このゴーグル内に見えているVR(仮想現実)空間に、コントローラーを使って絵を描いていきます。」
ゴーグルの向こうには…デジタルで描かれた神社。ひとつひとつ、コントローラーを巧みに使って、仮想空間に描く「VRアート」です。せきぐちさんには、“デジタル”ならではのある悩みが…
(VRアーティスト せきぐちあいみさん)
「やっぱりどうしても、すごく良いものを作ったところで、コピーできてしまうっていうところが、すごくネックで価値が付きにくかったので…」
デジタルアートは“コピー”や“偽造”が簡単に出来てしまうことから、価値を付けることが難しいとされてきました。
その解決に期待されるのが…“NFT”という技術です。

誕生したデジタルデータに、作成者などを刻んだ、オリジナルの“証明書”を発行。そこに歴代の所有者なども記録していくことで、作成者まで履歴を遡れます。そして、ネットワーク上で、NFTの利用者同士が監視しあうことで、コピーや偽造がされにくい仕組みになっています。
NFTで“本物”が証明された、せきぐちさんの作品は、なんと1300万円もの価値が付いたといいます。
(VRアーティスト せきぐちあいみさん)
「私の場合はライブペイントのパフォーマンスの出演料という形で、作品を売るという手法が正直なかったんですね。アーティストにとっては本当に革命的なことで、やっぱり自分が作ったものに価値が付くというのは、すごく幸せだなと。」

企業も続々とビジネス利用を始めています。キャラクターのシールや、有名アイドルのトレーディングカードなど、
そのアイデアは様々です。
これもNFTのキャラクター。購入したというコレクターは…
(NFTコレクター)「実際に持つまでは、デジタルデータということを考えると、それほど特別なものではないと思っていた。実際に手に入れてみると、やっぱり愛着がわいてきた。」

この技術、プロのアーティストたちだけのものではありません。
「ゾンビズーキーパーです!8歳です!」
人呼んで「ZombieZooKeeper」君、
小学3年生です!
(ゾンビズーキーパー君)「自分風に描いてるだけなので、自分風がコツですね。」
今年の夏休みに自由研究として、タブレットで絵を描き始めたキーパー君。今では、“動物のゾンビ”をテーマに、独創的なイラストを生み出しています。
(ゾンビズーキーパー君の母 草野絵美さん)「フリマアプリにモノを出品するみたいな感覚で出してみようかなと。」
軽い気持ちで、売りに出したところ…海外の有名DJがツイッターのアイコンに設定。まさかの、世界的大ヒットに!
ちなみに、こちらの作品は、なんと170万円です。
Q. それはお小遣いになった?
「はい、それで2300円分買ってもらいました。」
Q. なにを?
「ポケモンカード」
“お金”だけではありません。キーパー君にとって、学校では気づけなかった、かけがえのない“学び”もあったといいます。
(ゾンビズーキーパー君の母 草野絵美さん)「全く知らない人から英語で褒められたりとか…」
(ゾンビズーキーパー君)「不思議な気持ちになるよ」
「絵を描くことは大好きだけど、自分よりもうまい人がるからというのは、よく言っていたんですね。僕らしい絵を描く方がそれはそれで評価されるんだということを気づけたのは、学校ではなかなか気づけなかったことなんじゃないかと思いますね。」
(ゾンビズーキーパー君)「世界でこんなに売れたなんて嬉しいなと思います。」


11月21日『サンデーステーション』より

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