イノシシによる被害が増加するなか、捕獲数も過去最多となっています。そんななか、イノシシの肉を活用してジビエ料理を提供するお店が人気となっています。
豪快に焼いた肉の塊をじっくりと煮込んでおいしそうな焼き豚の出来上がり。と、思わず言ってしまうトロトロのお肉。実はこれ、イノシシの肉です。
東京駅のすぐ近くで今、様々なジビエ料理が味わえます。
新丸の内ビルディングのレストランフロア。
和洋中9つの飲食店で期間限定のジビエフェアを開催中です。
パスタに使われているのは、野生イノシシのバラ肉です。
背景には深刻な社会問題が…。パッケージの表示を見てみると、捕獲地は大分県。さらに「金属探知機:検査済み」とあります。
実は狩猟などで捕られたイノシシを活用しているのです。
近年、野生のイノシシとシカによる農作物被害が増加。
捕獲数は過去最多の135万頭に及んでいます。
処分されていたイノシシやシカを厳重に検査したうえで、ありがたく頂くという取り組みが各地で広がっています。
今回、企画したのは新丸ビルを管理する三菱地所です。都市を管理する大手ディベロッパーが、なぜジビエ料理を…。
三菱地所・長井頼寛さん:「捨てられてしまう命がもったいない。そもそもジビエはおいしくて栄養価も高いと。食べることを通じて知ってもらいたい。里山で起きている課題に少しでも興味関心を持つ。そのきっかけがこの街の中で生まれることが、我々の街づくりの価値になるのではと」
お客さんにも好評。
一方、イノシシによる農作物被害が深刻な房総半島では、捕獲作戦の負担を減らす救世主が登場。
大手通信会社「KDDI」と千葉県南房総市の実証実験。
イノシシが罠に掛かるとセンサーが検知し、その情報が無線通信でスマートフォンに届く仕組みです。
これにより、地元の猟友会が毎日、山間部を見回り、捕獲状況を確認していた負担が軽減されます。
南房総市有害鳥獣対策協議会・遠藤茂さん(75):「人が(見回りに)行く回数が減ったので、大幅に省略化している。我々年寄りは助かっている。これが本格化すれば良い」
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