予報士のつぶやき 冬日と真冬日 南はどこまで?[2021/12/10 14:29]

この季節になると、天気予報では「冬日」や「真冬日」という言葉が使われるようになりますが、2つの違いをご存じでしょうか。

冬日は『日最低気温が0℃未満の日』、真冬日は『日最高気温が0℃未満の日』と定義されています。冬日は一瞬でも0℃を下回ればよいのに対し、真冬日は一日中マイナスの気温でなければなりません。

では、ここで問題です。この冬日と真冬日、南はどこまで観測されたことがあるでしょうか?正解は…。





冬日 :奄美地方の中之島
真冬日:鹿児島・鹿屋市の輝北

意外にも、条件が緩い冬日も、条件が厳しい真冬日も同じ鹿児島県が南限です。ちなみに、最高気温が5℃未満の南限は、種子島にある南種子町の上中、10℃未満の南限は、沖縄・南城市の糸数です。

朝の気温低下は、地表の熱が上空に逃げる放射冷却が大きく影響するのに対し、昼の気温上昇を妨げるのは、上空の寒気であることが主な理由と考えられます。「西回りの寒気」と表現しますが、上空の寒気は大陸から西日本方面に直接流れ込むことがあります。このような時は、九州でも北海道くらい寒くなることがあるのです。

近年では、2016年1月下旬に西回りで強烈な寒気が流れ込みました。九州では真冬日が続出し、各地で大雪に。なんと、沖縄県の名護市と久米島町でも雪(みぞれ)が観測されました。

この冬はラニーニャ現象の影響で、西回りの寒気が流れ込みやすくなる予想です。西日本でも厳しい寒さや雪に注意が必要です。

テレビ朝日気象デスク 藤枝知行

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