先週末は日本海側を中心に大雪となった。札幌や小樽では24時間に降った雪の量が観測史上最大を記録。北陸や関東甲信の山沿いでも一日で50cm前後の雪が一気に積もった。また、九州から関東にかけて、初雪ラッシュとなった。
大雪をもたらしたのは上空の強い寒気だ。滞在期間が短く、大雪は一日程度で収まったところが多いが、年末は強烈な寒波が押し寄せてくる。
寒波とは、強い寒気が数日間にわたり居座ることをいう。影響時間が長引くことに加え、影響範囲が広くなるのが特徴だ。つまり、先週末のような大雪が、より広い範囲で数日間続くことになる。
■年末寒波の特徴その1: 北日本の上空5000m付近に第一級の寒気
上空5000m付近で―40℃以下の寒気が東北北部まで流れ込む。この高度の寒気が強いほど雪雲は発達しやすい。先週末は札幌などでドカ雪となったが、今回も都市部での積雪急増に警戒が必要だ。
■年末寒波の特徴その2: 1500m付近の強烈な寒気が西回りで
福岡の上空1500m付近に、−15℃を下回る寒気が流れ込む見込みだ。これは統計史上ベスト10に入るほどの強さである。この寒気が強いほど地上に雪のまま落ちてくる。
前回、同じレベルの寒気が福岡に流れ込んだのは1996年2月2日のこと。この時は九州や四国の平野部でも広く積雪となり、新幹線のダイヤが大幅に乱れたほか、空の便も欠航が相次いだ。積雪や凍結による交通事故が多発し、集落の孤立も発生している。
21日時点の予想では、年末寒波の期間は25日(土)から28日(火)頃にかけて。太平洋側を含めて、北日本から西日本の広い範囲で大雪となる恐れがある。
帰省などで移動する機会が増える時期だが、計画の見直しも含めて、万全の対策を行っていただきたい。
テレビ朝日気象デスク 藤枝知行
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