「みんなが少しずつ優しくなれれば」漫画家・今日マチ子が描いた“コロナ禍の日常”[2022/01/07 23:30]

数々の受賞歴をもつ漫画家・今日マチ子さんは、コロナ禍の日常を描いた漫画をSNSで発信しています。

「遠くへ行きたいな」とのメッセージと共に、電車の路線図を見つめるマスク姿の高校生。「ここなら外してもいいかな」と、女性が電話ボックスでマスクをそっと外す様子など、これまでに283枚描きあげました。

今日マチ子さん:「海外の方がよくSNSで見てくれるので、うれしくて描いている。日本だけの風景かもしれないけれど、外国の人にもコロナという共通言語ができたことで伝わった風景なのかな」

この漫画に主人公は登場しません。

今日マチ子さん:「漫画を描く時って、ひとり主人公がいて、脇役がいて、キャラクターが固定されてまわっていくんですけど、登場する人を固定せず、街の中にいる人ということで描いています」

大切にするのは変わらない日常です。

今日マチ子さん:「(Q.街を散歩することはありますか)何でもない路地裏とか、人生ほとんど何でもない日が多いので、そういう日も大切に生きたい」

今日マチ子さん:「(Q.モットーはどんなところにありますか)メッセージ性が強くないこと。押しつけがましくならない。共感ってあまり好きではなくて、そこまでいいものなのだろうかと思っています。できるだけ淡々と、人々の様子とか町の様子を描くことにしていました。いかようにも皆が取れるということにしました」

一冊の本にもなりました。

今日マチ子さん:「(Q.こういう作品を描こうとしたきっかけは)普通じゃない状態の中にも普通があって、確かに私たちが生活しているということを記録に残しておきたい。声が大きい人はいいと思うんです。ちゃんと立派な意見をみんなの前で言える。それができない人、そういうのが得意じゃない人が多いことに気が付いて、何も言えないということを静かな絵で描けたらいいなと思っていました」

今日マチ子さん:「(Q.メディアは、誰かのために頑張る人や、逆境に立ち向かってキラキラしている人たちを伝えがちですが、そこではない視点を伝えたかった)私自身、全くエッセンシャルワーカーではなくて、何でこんな役に立たない職業なんだろうと結構考えてしまって。でも、突き詰めて考えたら、役に立ってないからこそ、役に立っていない人たちに目を向けることができる。いわゆるエッセンシャルじゃない人たちが、普通に生きているだけでも全然大変だし、頑張っているということを、私だけでもフォーカスしたいと思ってました」

オミクロン株が広がりを見せる世界。今日マチ子さんは、その先にどんな未来を見ているのでしょうか。

今日マチ子さん:「世界全員が同じことを経験したというのは、本当にすごいことで、たぶん大きな財産じゃないかなと思います。みんな等しく痛みを負った。みんなが少しずつ誰かに優しくなれればいいなとか、色んな人の存在をいま一度認識することになればいいなと思っています」

こんな記事も読まれています