メタバース“2700時間超え滞在者”に聞く魅力…人間の五感を再現した未来も[2022/01/10 23:30]

アメリカ ラスベガスで行われた最新技術見本市『CES』で注目を集めた仮想空間『メタバース』。その市場規模は、6年後には約100兆円といわれています。

そもそも、どうやってその世界に入るのか知っていますか。

メタバースの入り口は、何気ない部屋にありました。案内してくれるのは、メタバース滞在時間、2700時間を超えるシステムエンジニアの銀鮭さん(30)です。

メタバースの世界とは、ネット上に作られたいくつかの仮想空間の中から一つを選び、“アバター”と呼ばれる自分の分身で活動します。ゲームやスポーツなどの遊びを仮想空間でリアルに体験できます。

メタバースは、楽しむだけではありません。仕事もできます。フェイスブックから社名を変更した『メタ』は、仮想空間で会議ができるサービスを開始。1兆円以上を投資し、さらなる開発を進めるとしています。データファイルや動画をどこにでも表示でき、効率よく共有もできます。さらに、そこは、ネットゆえのボーダレス空間。自動翻訳機能も搭載しています。世界と簡単につながることができることで、新たなビジネスチャンスも生みます。

先月、行われた国内イベントには、ローソンや大丸松坂屋など、約80社が出展。メタバース上で、現実世界の商品を買うことができ、100万人以上が来場。しかも、その約4割は海外客でした。

国境だけでなく、現実世界との境界線すらもあいまいにしてしまうメタバースの世界。「それこそが魅力だ」と2700時間遊びつくした銀鮭さんはいいます。
メタバースの住民・銀鮭さん:「容姿も年齢も収入もステータスも関係なく、VRのでは、内面だけみて、友だちになれる。(Q.仮想空間だからこそ、リアルな付き合いができる)SFで、仮想世界だけで生きて、現実世界で生きていない映画があるが、結局、両方大事だと思う」

二つのリアルを行き来できる時代。そんなメタバースをよりリアルに再現しようと、いま、新たな技術が研究されています。

現在、再現できているのは、人間の五感のうち、視覚と聴覚のみ。最先端の研究では、人間の舌に微弱の電気を流して味覚を再現したり、アバターが触れた感覚を再現する実験も行われています。

さまざまな五感の体験を研究する東京大学の鳴海准教授は、こう話します。
東京大学・鳴海拓志准教授:「触覚は、研究領域でホットトピック(最新の話題)。色んな方法で、触覚が導入されてくる。実用レベルになるのは10〜20年後。そんな遠い未来ではない」

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