「病院まで1時間以上かかることも」ひっ迫する“救急医療”の最前線[2022/02/11 23:30]

全国で11日に確認された新型コロナウイルスの新規感染者は9万8369人でした。

感染者の増え方は鈍化しているものの、救急医療の現場は待ったなしです。

神奈川県鎌倉市にある湘南鎌倉総合病院。救急車が続々と到着し、コロナに感染したかもしれない患者が運び込まれます。11日は、逗子や横浜市内から患者が搬送されました。
湘南鎌倉総合病院・寺根亜弥医師:「東京から受け入れ先が見つからず、1時間以上かけて運ばれてくる例もある」

この病院では、連日、250人を超える救急患者を受け入れていて、その半数以上にコロナの疑いがあります。問題は、一般の患者も、これまで通り運び込まれてくることです。
湘南鎌倉総合病院・寺根亜弥医師:「救急車で病院に行くにも時間がかかる大変な状況。緊急の患者に医療が行き届かないことを我々も心配している。連休中も、体調には気を付けて過ごして下さい」

救急医療のひっ迫は、深刻です。

大阪市の高齢者施設に1通のメールが届いていました。メールは、市の福祉局から送られてきたもので『大阪市消防局からの依頼について』とあります。そこには、「高齢者施設からの救急要請の中には、保健所を介さずに、直接、119番通報されている事案が見受けられます」という文言がありました。そのうえで、症状が悪化したときは、「まず、保健所などに相談するよう」促しています。
隆生福祉会・加藤正人理事:「『保健所を一度通して下さい』と案内になっているが、少しでも早く病院にお連れしないといけないときに電話がかかるのかという不安がある」

もちろん、緊急時にも通報をするなということではありません。やむを得ずメールで訴えたのは「救急車の要請が著しく増えているから」です。大阪市で、すぐに搬送先が見つからないケースは、1週間で552件と、急増していました。
隆生福祉会・加藤正人理事:「平均年齢も89歳で、感染したら命にかかわる人が多い。特別、診ていただけるような(連絡)ラインがあればと希望している。高齢者用の対応をしてもらえれば、大変、ありがたい」

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