予報士のつぶやき これでいいのか!関東の雪予想[2022/02/14 12:31]

13日夜から14日早朝にかけて関東の平野部でも積雪になる予想が出ていた。
結果としては雪よりも雨の時間の方が長く、積もったところも芝生にうっすら程度。
関東の平野は23区でも8cmの降雪を予想していたので、予想は「外れ」である。

■みなさんの雪予想が当たった感覚、筆者は以下がおおまかなイメージ
10cmの降雪予想が出ていたとして積もった雪が(降雪と積雪は厳密には違うが)
10cm→すごい!当たったなあ
6cm〜9cm、11cm〜14cm→結構当たってるなあ
1cm〜5cm、15cm〜19cm→外してるなあ
0cm、20cm以上→全然外れてるじゃん!
感覚は人それぞれだと思うが、だいたいこんな感じを想像している。

■積雪は目に見える
流れたり染み込んだりする雨と違って積雪は誰でもある程度の量を確認できる。
予想と結果を照らし合わせることができるので、
関東の降雪予想は予想の数字に近くないと「外れ」という印象が強くなると思うのだ。

■「当たる」「外れる」という印象は非常に大事。
「外れる」という印象が強くなればなるほど、大雪予想が出ても備える意識が薄くなる。
関東の雪に関しては予想がピタッと当たることはほとんどない。いや、まずないか…
今まで通りに関東の降雪予想を出している限り、
外れの印象がさらに強くなるのでは!?と最近、よく思うのである。

■降雪予想をどう出すのが適切か
(1)予想される雪の量(あす朝にかけて最大)
関東平野部 10cm
(2)予想される雪の量(あす朝にかけて)
関東平野部 5〜10cm

(1)は最大値で出すパターン
(2)は幅を持って出すパターン
(1)の最大値でもMAXで10cmと言っているのだから、
本来は幅があるはずなのだが、どうも数字が一つになると
その数字が予想のすべてに見えてしまう。

(2)のように幅を持たせた方が外れる印象は減らせる、と思うのである。
時には予想の幅が3〜10cmと広かったり、8〜10cmと狭かったり、
ということがあってもいい。
前者はブレ幅の大きさ、後者は予報の精度が高そうだ、と解説することができるだろう。

■実は現在、この2つのパターンで気象庁は情報を出している
気象庁は2日前の段階では予報に幅を持った形、(2)のパターンで情報を出している。
ただ、前日、当日は(1)のパターン、最大値で出しているのだ。
関東など太平洋側で雪予想が難しい地域では
前日や当日でも幅を持った予想の方が情報としては親切な気がする。

今までの方法や一つの方法にとらわれずに、
どのように情報を出せばより伝わりやすくなるのか、有益な情報になるのか、
今後も模索していきたいと思う

テレビ朝日気象デスク 太谷智一

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