予報士のつぶやき 驚異の的中率!桜開花600℃の法則[2022/03/09 13:51]

8日更新の「予報士のつぶやき」で、久能木百香予報士が紹介した「桜開花600℃の法則」。シンプルでありながらとても精度が高く、筆者は大好きだ。どんな法則かというと、「2月1日からの最高気温を足していき、ちょうど600℃に達する日にソメイヨシノが開花する」というものである。

東京を例に、桜の統計が始まった1953年以降の開花日と、最高気温の積算が600℃に到達した日を比較してみた。

去年まで69年分のデータがあるが、そのうち9回が600℃到達と開花日がピッタリ一致。また、全体の7割以上が、600℃到達日の前後3日以内に開花していた。最高気温を足すだけという非常にシンプルな法則でありながら、驚異的な的中率だ。

全国に目を向けると、東京よりもさらにこの法則が当てはまりやすい都市があった。

まずは、杜の都「仙台」。69年中なんと17回がピッタリ一致。4年に一度はこの法則が的中していることになる。さらに、全体の8割以上が600℃到達の前後3日以内に開花していた。

続いて、日本三名園のひとつ兼六園がある「金沢」。600℃到達日の開花は15回。ピッタリ一致した回数では仙台に及ばなかったが、全体の9割以上が600℃到達日の前後3日以内に開花していた。

その他、名古屋や大阪、広島、高松、福岡も、上記3地点ほどの的中率ではないものの、全体の5割前後が600℃到達の前後3日以内に開花していた。

唯一、法則に当てはまりにくかったのが札幌だ。前後3日以内に収まったのは全体の2割にとどまり、1週間以上ずれることも多かった。

2月上旬、札幌では最高気温がマイナスのことも多く、スタートラインが0℃ではなくなってしまうことが関係しているのかもしれない。ただ、それでも1961年と2011年の2回は、600℃到達と開花日がピッタリと一致していた。

以上のことから、桜開花600℃の法則は、非常に精度が高く、場所を選ばずに当てはめることができる法則といえるだろう。

9日現在、気象庁は全国914地点で気温の観測を行っている。お住いの地域の最高気温を足しながら、桜の開花を待ってみるのもまた一興である。

テレビ朝日気象デスク 藤枝知行

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