日本、千島両海溝の巨大地震巡り新たな被害想定に基づく防災対策報告書[2022/03/22 16:45]

 北海道から東北地方の沖にある千島海溝や日本海溝沿いで想定される巨大地震と大津波について、内閣府の検討会が防災対策の報告書を公表しました。

 内閣府は去年12月、千島海溝と日本海溝沿いでマグニチュード9クラスの巨大地震が起きた時にどれぐらいの被害が出るかについて、新たな想定をまとめました。

 冬の深夜に起きた場合は最悪、日本海溝沿いの地震で19万9000人が死亡し、津波を逃れても「低体温症」で最大4万2000人が死亡する恐れがあるなどという内容です。

 この被害想定を踏まえ、内閣府の検討会が防災対策の在り方を報告書にまとめ、今月22日に公表しました。

 報告書では、津波からの避難が早ければ最大で死者を8割減らせるとしていて、避難訓練や防災教育を通して「防災の日常化」を進め、地震があればすぐに避難を開始するなど意識の高い地域社会の構築を進めるべきだと指摘しています。

 また、低体温症での犠牲者を減らすため、避難所で衣服や暖房器具を提供できる体制が必要だとしています。

 また、11年前の東日本大震災の時には2日前にマグニチュード7クラスの地震があったことから今後、想定された震源域でマグニチュード7クラス以上の地震が発生した場合、マグニチュード9クラスの巨大地震への注意を促す情報発信を行うことも提言しています。

 二之湯防災担当大臣は今月22日の記者会見で「今回対象にしている巨大地震は最新の科学的知見に基づく最大クラスのものであり、東日本大震災の教訓を踏まえ、何としても命を守ることを主眼として検討してきた。今月16日に福島県沖を震源とする地震もあったが、巨大地震はいつ発生するか分からない。関係省庁や自治体と連携しながらスピード感を持って全力で取り組みたい」と話しました。

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