16日の地震を解析調査『宮城県沖で空白域』東北大学[2022/03/22 23:20]

 16日に起きた福島県沖を震源とする地震について東北大学は調査や解析を行い、宮城県沖に地震の「空白域」があり、今後、地震が起こりやすい状態と考えられるなどと指摘しました。

 『地震のメカニズムについて』
 東北大の遠田晋次教授によりますと、今回の地震の発生は福島県沖の地下57キロの太平洋プレート内で約2メートル断層が動いたことが原因とみられます。
また、今回の地震は去年2月に福島県沖で起きた地震の余震が起きていたところから起き始めたということです。
このため、前回の地震と今回の地震は直接関連していて、去年の地震がなければ今年の地震は簡単には起こらなかったとしています。
また、宮城県沖に地震の「空白域」があることも突き止めました。
2011年の東日本大震災以降のプレート内地震を調べた結果、宮城県沖に「未破壊域」と呼ばれる地震が起きていないところがありました。
この部分にはひずみがたまっているとみられ、地震が起こりやすい可能性があるということです。

 『地震の揺れについて』
 大野晋准教授は今回の地震は周期が短いことが特徴だったと発表しました。
短周期の地震は建物本体よりも建物の外装や屋根、ブロック塀や電柱などの被害と関係するということです。
また、福島県相馬市などでは今回の地震が去年の地震や東日本大震災より揺れが大きかったとしました。

 『被災地の現地調査結果』
 柴山明寛准教授は福島県相馬市や国見町で被害が目立ったことを明らかにしました。
東日本大震災以降、度重なる地震で建物に「累積疲労」がたまり、地震が起こると壊れやすくなっている恐れがあるということです。
そのため、被災地では窓が開かなくなったり、逆に開きやすくなったりした場合、工務店などに調査してもらい、補修ではなく「補強」や「耐震化」を進めてほしいとしています。
調査結果の概要は東北大学災害科学国際研究所のホームページに公開されています。

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