テレビ朝日は「未来をここから」プロジェクトの一環で持続可能な社会を目指すSDGs企画をお伝えします。
 13日のテーマは「すべての人に健康と福祉を」です。
 日本人エンジニアが、3Dプリンターで義足を作り、貧しい地域に届けています。
 フィリピンの義足女性:「(義足で)階段を上ることもできる。どこにでも行けて、誰とでも会うことができる」
 フィリピンの女性に義足を作ったのは徳島泰さん(43)。
 徳島さんが3Dプリンターで作る義足は1本およそ4万円。通常の義足の10分の1程度です。
 instalimbCEO・徳島泰さん:「脚を切って障害者になってしまったから『もう自分は働けない』。“諦めてしまっている心”を変えたい」
 しかし、新型コロナがすべてを変えました。
 日本に帰国を余儀なくされた徳島さんは発想を変えました。リモートでやればいい。
 現地スタッフがスキャンしたデータを日本にある3Dプリンターに入力し、完成品を現地に送る仕組みを新たに作りました。
 今ではコロナ前の3倍近い毎月およそ60本の義足がフィリピンの人々に届けられています。
 今年3月、徳島さんの姿はインドにありました。
 広大なインドに進出する鍵を握るのは完全リモートを可能にするスマホです。
 instalimbCEO・徳島泰さん:「スマホ自体に3Dスキャンをするという機能があって、自分で3Dスキャンをしてもらう」
 将来的には山奥に住む人でも1人で足をスキャンすることができます。
 そのデータを3Dプリンターに転送し、オーダーメイドの義足を自宅まで届けることが可能となります。
 instalimbCEO・徳島泰さん:「コロナがなかったら、ここまで完全遠隔みたいなことを今のタイミングでやるという話にはならなかったんじゃないかなと思っていて。リモート製造というのが義足の本流の作り方になっていくかもしれない」
 実際に3Dプリンターで作った義足です。
 徳島さんの会社では、来年中にはスマホを利用した完全遠隔製造のテスト運用を始めるそうです。
 そして、将来的にはウクライナなどの紛争地にも義足を届けることが可能になるということです。                      
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