“学習ロボット”“AI採点”教員不足を救う『教育テック』【SDGs】[2022/04/15 23:30]

テレビ朝日『未来をここからプロジェクト』。報道ステーションでは、持続可能な社会を目指すSDGs企画をお届けしています。15日は“質の高い教育をみんなに”です。

ソリューションゲートが2020年に開発した小学生向けの学習指導ロボット『ユニボ先生』は今、実際の教育現場で使われ始めています。

背景にあるのが、全国の公立学校で起きている教員不足。その解決手段として、教育とテクノロジーを組み合わせた『教員テック』が注目されています。

教師の大きな負担となっているのが採点業務。採点システム『百問繚乱』は、テストの答案をデータ化し、事前に模範解答を読み込ませることで、AIが瞬時に採点します。

さらに、教師の確認が必要な記述式の答案も、採点しやすいように、問題ごとに全生徒の答えを表示してくれます。このシステムを取り入れた結果、残業時間が半分に減ったという教師もいます。

英語担当・福島美記子教諭:「必ずと言っていいほど、前までは答案を家に持ち帰って採点していたんですけど、今、働き方(改革)とか教職員が言われているなかで、一役買ってくださっている」


大手精密機器メーカー『コニカミノルタ』が実証実験に乗り出している小学校では、カメラで授業を撮影しています。この映像をAIが画像解析すると、生徒の骨格を緑色で表示。手を上げれば赤く表示され、下を向けば白く表示されます。さらに、生徒だけでなく、授業中の教師の行動も追い掛けます。

教員の負担軽減につながるポイントとは。

コニカミノルタ・松末育美さん:「(若手の)先生が、今の授業が良いのか悪いのかというのを振り返るためにあるサービスになっています」

これまで、新人教師の技術向上のため、ベテラン教師がつきっきりで指導する必要がありました。しかし、動画を分析して授業を可視化すると、授業中、教師と生徒の発言の時間などをグラフ化することができます。若手教師とベテラン教師の授業データを比べると、若手教師の授業では、生徒の発言時間が少ないことが分かります。可視化することで改善点が分かるようになるといいます。

21年目(撮影時)妹尾真吾教諭:「同じような分析カメラで撮った教育専門官のデータだけど、比べてみてどう?」

1年目(撮影時)西本瑞貴教諭:「先生がしゃべっている時間が(僕の授業より)圧倒的に少ないというより、子どもたちがしっかり活動できているというのが、データで目に見えている。子どもが生き生きしている様子がデータだけで受け取れるなというのが分かります」


対面が減ったコロナ禍。教師に負担となったのが家庭とのコミュニケーションです。『デジタル連絡帳』などを使うことで、教師・生徒・保護者がつながるだけでなく、何時に宿題をしているのかなど、学習の管理が簡単にできます。

4年生担任(撮影時)柿山真教諭:「子どもたちに『夜遅い時間はタブレットを使わずに早く寝るように』という生活指導を行っています」

教員不足も補う教育テック。その可能性は広がり続けています。

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