新しい料理人の姿とは…日本人初の“アジア最優秀女性シェフ”庄司夏子が見る未来[2022/05/06 23:30]

宝石のように輝く『フルール・ド・エテ』は予約が取れない“幻のケーキ”と呼ばれています。作っているのは、若き女性シェフ・庄司夏子さん(32)です。

今年3月に開催された食の祭典『アジアのベストレストラン50』で、最優秀女性シェフ賞を受賞。日本人初の快挙を成し遂げました。

庄司さんのお店は、東京・代々木上原の商店街を抜けた先にあります。レストランは「一日一組」限定。販売するケーキは完全予約制。値段は1万円以上ですが、いつも争奪戦です。
庄司夏子さん:「ケーキがきれいで美味しいのは当たり前で、それ以上の先を求められているので、それに応えていけるものをやっていきたいなと思う」

これまで数多くの著名アーティストともコラボしてきました。その狙いは“料理の価値、向上”です。
庄司夏子さん:「アートだったら何千万、何億円の世界があると思う。私たちの世界は、農家さんが一年間かけて育てあげた野菜やフルーツを、我々がソースを作るのにも2日間かかったりもする。でも、日本は、フルーツも野菜も宝石のように素晴らしいものなのに、評価が低いと思う。そこの部分の認識を変えたい」

庄司さんが店をオープンさせたのは、24歳のとき。当時の店は、現在、倉庫となっています。狭いスペースが当時の精一杯でした。
庄司夏子さん:「ここは私の原点なので手放せなくて。一応、使っている。融資の枠だったり、年齢と性別が関係なかったと絶対的に言い切れない。若くて女性でというところで苦労した」

オープンから8年。世界が認めるレストランになり、庄司さんは世界が認めるシェフになりました。

年齢、性別、店の規模ではなく“本物を作り続ければ世界は評価してくれる”。それは未来のシェフたちの“道標”です。
スタッフ(23):「シェフのように自分にしかできないことを見つけて、恩返しできるようになりたい」

庄司夏子が見つめる未来。
庄司夏子さん:「新しいロールモデルを自分が確立して、それを伝えていけば、女性においての起業のハードルはすごく下がると思うし、今は“少数派だから”というのを自分自身で理解して、それを何なら利用して変えていく。そのうち性別欄が書くところがなくなったり、女性だから注目されることがなくなったらいいなと思っている。生半可な気持ちでは絶対ダメだけど、それに向けてひたむきに努力すれば、必ず、絶対に努力しないとダメですよ。報われることはあると伝えていきたい」

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