フルーツ王国ならではの「脱炭素」 ブランド化し山梨県出荷へ 【SDGs】[2022/05/14 13:00]

 「モモ」や「ブドウ」の生産量が日本一の山梨県で「果樹園」ならではの「脱炭素」の取り組みが始まっています。

 おいしそうなブドウやモモを求めて、山梨県には毎年、多くの観光客が果物狩りに訪れます。

 冬になると、あちこちで見られる立ち上る白い煙。果樹園で剪定(せんてい)された枝が燃やされて出たものです。

 果樹は、光合成によって多くの二酸化炭素を吸収し、枝に炭素を蓄えますが、切った枝を燃やすと二酸化炭素は再び大気中に出てしまいます。

 研修会に参加した農家:「想像していたよりも手軽に炭が作れる」

 地球温暖化抑制のため、農業でも脱炭素を目指せないか。山梨県が目を付けたのは、剪定した枝を炭にして土に埋め、炭素をためるという新たな手法でした。

 これは、2015年のCOP21でフランス政府が提唱した「4パーミル・イニシアチブ」と呼ばれるものです。

 4パーミルとは、0.4%の事で人間が排出する二酸化炭素の量から植物が吸収する量を引いた残りについて、地中の炭素量の0.4%を毎年、増やすことで帳消しにできるという考え方です。

 今年1月、県主催の研修会には多くの果物農家が参加し、炭の作り方を学んでいました。

 研修会に参加した農家:「農業は、環境から恩恵を享受する仕事なので、少しでも二酸化炭素とか環境への負荷を和らげて、持続可能なものにするためにはやっていったほうがいいのかなと」

 山梨県はフォーパーミルに取り組む農家に対して、環境に配慮した農産物と認証し、ブランド化を進めています。

 これまでに70を超える農家や団体が認証を取得し、今年の夏、フォーパーミルブランドの果物が本格出荷されます。

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