マダニなど媒介…ウイルス性出血熱の感染者増加[2022/05/24 17:24]

 マダニなどを介したウイルス性出血熱の感染者が増えています。国内では2013年に初めて報告されてから患者が増え続けていて、去年は過去最多の109人となりました。

 国立感染症研究所によりますと、主にマダニや、マダニにかまれて感染したイヌやネコを介して感染する「重症熱性血小板減少症候群」は、感染すると発熱や嘔吐などのほか意識障害や皮下出血など重い症状を引き起こします。

 致死率は6.3%から30%と報告されていて、有効な薬やワクチンはありません。

 血液などの体液の接触で人から人への感染も報告されています。

 国内では2013年に海外渡航歴のない患者が初めて報告されてから、600人以上が感染していて、少なくとも80人が死亡しています。

 去年は過去最多の109人の感染が確認されました。感染症法では4類感染症に位置付けられ、診断した医師は報告が義務付けられています。

 感染研は「急激に重症化し極めて致命率が高く、患者から医療従事者への二次感染も起こり得る」として、早期の診断が重要だとしています。

 厚生労働省は、マダニが好む草の茂った場所に入る際には長袖、長ズボンを着用するなどかまれないように対策をするほか、飼育している動物の体調が悪ければ動物病院で診てもらうよう呼び掛けています。

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