「何とかして助けたい」 国外脱出支援するロシア人[2022/07/05 12:43]

 ロシア国内では、一部のロシア人が危険を承知で連行されたウクライナ人らを国外へ逃がすためのボランティア活動を続けています。

 脱出支援するロシア人・オリガさん:「ウクライナ人を見ていると、自分と全く同じに感じるのです。言葉も宗教も同じ、一つの民族だと感じます」

 ウクライナ人支援するロシア人・ウラジーミルさん:「私たちはこの状況を変えることはできません。でも何とかして助けたいです」

 オリガさんとウラジーミルさん夫妻は現在、ロシア西部のロストフ州でヨーロッパへの脱出を希望するウクライナ人を支援しています。

 2人はこれまでに7組の家族をチェコなどロシア国外へ移動させる手伝いをしてきました。

 マリウポリ出身のリーナさんもその1人です。

 ロシアからラトビアへ脱出・リーナさん:「ボランティアがプランを考えます。自力では無理でした。彼らは脱出の手助けをしています」

 リーナさんは90歳の母親を連れてロストフからモスクワを経由し、ラトビアの首都リガまで避難しました。

 リーナさんによると、事前にラトビアまでのルートが自分の希望に沿った形で決められていて、道中では10人以上のボランティアから送迎や宿泊、医療などの支援を受けたということです。

 ウクライナへの侵攻開始以来、ロシアでは連行されたり、避難してきたりしたウクライナ人をヨーロッパへ脱出させるためのロシア人のボランティアネットワークができています。

 コーディネーターと呼ばれる人が脱出までの最適ルートを考え、移動手段を確保するなど全体のプランを策定します。

 移動の道中は各地域にいるボランティアが送迎を行ったり、必要な場合は自宅を宿泊先として提供したりします。

 コーディネーターは、夫妻のように現場で支援を行う人たちとマッチングサイトを通じて連携しています。

 ボランティア団体によると、なかには極東から支援を求め、数千キロの移動を経てヨーロッパに脱出できた例もあるということです。

 一方、ボランティア活動は違法ではないというものの、リスクがないとは言えません。

 そのため、コーディネーターはお互い個人の特定を避け、目立たないように行動しています。

 また、ボランティアとウクライナ人との間で政治的な話題や軍事作戦に関する話をネット上では絶対にしないと決めています。

 こうしたボランティアネットワークはロシア国内に複数存在し、1つの団体で活動するコーディネーターだけでも200人を超えるということです。

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