台風研究の専門家「台風制御で脅威から解放目指す」[2022/07/08 21:51]

 台風研究の最前線を担う専門家が「台風制御」の可能性について講演しました。2050年までに台風などの脅威からの解放を目指したいとしています。

 8日、日本の台風研究をリードする専門家2人が、「台風制御」の可能性について日本記者クラブで講演を行いました。

 日本初の台風研究の専門機関となった横浜国立大学・台風科学技術研究センターのセンター長を務める筆保弘徳教授は、近年、台風による経済的な被害が大きくなってきている一方で、台風制御を実施した際の台風への影響やその経済的効果をシミュレーションによって予測することが可能になったとして、台風の勢力を抑える「台風制御」研究の必要性を訴えました。

 そのうえで、2050年までに台風などによってもたらされる極端な風水害の脅威からの解放を目指すほか、台風の強風を利用した発電なども検討したいとしました。

 一方、日本の台風研究の第一人者ともいわれる名古屋大学の坪木和久教授は、「台風制御のためには台風の正確な観測が必要だ」として、航空機による恒常的な台風観測の必要性を訴えました。

 2017年から、坪木教授らが実施してきた航空機による台風の直接観測では、中心付近の勢力が気象庁の推定値と最大で15ヘクトパスカル違ったということです。

 勢力が10から15ヘクトパスカル変わるだけでも、日本に直撃すれば被害は大きく変わるとして、現在、大学を中心とした不定期な直接観測ではなく、国などによる永続的な台風観測の体制を整備し、より正確な予測を通して「人命が失われないような社会を目指すべき」としました。

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