大雨で避難情報発令せず 埼玉・鳩山町「難しい判断だった」[2022/07/13 17:05]

 12日に局所的な大雨となった埼玉県鳩山町では、避難指示などの避難情報は出されませんでした。担当者は「難しい判断だった」としています。

 埼玉県鳩山町では12日午後5時ごろから雨が強まり、午後6時前に1回目の「記録的短時間大雨情報」が出されました。

 それ以降、午後7時すぎ、午後8時すぎと立て続けに記録的短時間大雨情報が発表され、3時間雨量で263.5ミリ、24時間雨量でも400ミリ近い記録的な大雨となりました。

 避難指示の目安となる「警戒レベル4相当」の土砂災害警戒情報も12日午後6時45分に出され、気象庁のホームページで災害の危険性を示す「浸水害キキクル」では、午後8時ごろに鳩山町の一部に「警戒レベル5相当」の黒の表示が現れましたが、鳩山町では今回の大雨で避難指示などの避難情報は発令されませんでした。

 鳩山町では12日午後8時45分に垂直避難の呼び掛けと2カ所の避難所の開設を知らせる防災無線の放送とメールの配信を行っています。

 町の担当者は「ここまので大雨は予想外だった。大雨の時間が夜間になり、短時間でかなりの強雨になった。気象庁と民間を含め複数の雨雲の予想を見ていたが、予想と違い雨雲が停滞し続けてやみ間がなかった。避難指示を出すと避難中に被災する可能性もあった。難しい判断だった」としています。

 また、台風などと違って急な大雨だったことから、避難所の開設なども残っていた職員だけで対応せざるを得なかったとも話しました。

 そのうえで「避難情報が毎年のようにコロコロ変わる状況が続いている。去年から避難勧告がなくなり、避難指示に一本化されたという周知は地道にしてきたが、法律的な意味と受け取る側の意味に差異が出てしまうことを考慮してしまい、(発令を)躊躇(ちゅうちょ)したところもあった」と振り返りました。

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