予報士のつぶやき 線状降水帯予測発表 どうすれば?[2022/07/15 13:24]
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気象庁は15日、線状降水帯に関する予測を九州に発表しました。
6月に運用が始まってから初めての発表となります。
九州北部と九州南部では、15日夜から16日午前中にかけて、線状降水帯が発生して大雨災害の危険度が急激に高まる可能性があります。
土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒してください。
線状降水帯は「激しい雨が数時間以上降り続くこと」で甚大な災害をもたらします。
実は一つの積乱雲の寿命は短く、発生から雨を降らせ消滅するまで数十分程度。
これが、線状降水帯になると、積乱雲が次々と発生して列をなすことで「激しい雨を同じ場所に数時間以上降らせる」ことになります。
一つの積乱雲でも道路冠水や河川増水などが起こりますので、複数の積乱雲が連なる線状降水帯となると災害発生のリスクは格段に上がります。
過去の集中豪雨の大半は線状降水帯によるものです。
15日初めて発表された予測では、「線状降水帯」の可能性があるとき、気象庁は発生の半日から6時間前までに気象情報の中で呼びかけを行います。
呼びかけは関東甲信や近畿など全国11の地域ごとと、今の時点では広範囲の区分となっています。
今回の九州北部と南部の場合、対象は1千万人以上。
この情報をどうとらえればいいのでしょうか。
気象庁によりますと、線状降水帯に関する呼びかけは
「すぐに避難を促すものではない」とのことです。
大雨災害に対する危機感を早めにもってもらい、ハザードマップや避難所、避難経路の確認を行ってもらうことを目的としています 。
また、市町村の防災担当の方には、避難所開設の手順や水防体制の確認等、災害に備えてもらうことが考えられます。
大切なことはこれまでと大きく変わりません。
自治体が発令する避難情報や気象庁が発表する大雨警報やキキクルなどの防災気象情報を活用し、自らの判断が重要です。
いまの技術では、線状降水帯の正確な予測は難しく、呼びかけを行っても必ずしも発生するわけではありませんが、大雨となる可能性は高い情報です。
今回は多くの人が寝ている時間に災害発生となる恐れがあります。
より一層の心構えをして、自治体や気象庁からの情報に注意を向けていきましょう。
気象庁の防災情報は誰でも、いつでも見ることができます。
家族、友人、知人の住む地域の危険度も積極的に調べ、身近な人への声掛けもぜひお願いします。
テレビ朝日気象デスク 佐藤圭一