「接触してくる?」安倍元総理とも会話 有田氏が指摘する旧統一教会の政治への浸透[2022/07/17 22:30]

▽参院選の当選者も「友好団体から支援」
今回の参院選、自民党の全国比例候補として出馬し当選した井上義行氏。第1次安倍政権で総理秘書官を務めていました。
(自民党 井上義行氏)
「今回の当選証書は安倍総理に報告したかったわけでございますが、遺志を引き継ぎ、しっかりと憲法改正をしたいというふうに思います」
先月2日に開かれた集会。支援団体として最初に名前を呼ばれたのは…
「FWP(世界平和連合)事務総長でいらっしゃいます…」
教団の友好団体・世界平和連合の幹部です。集会では、その後、安倍元総理が講演を行っていました。
(安倍元総理)「井上さん自身ですね、前回の選挙で落選し非常に厳しい状況の中で、みなさんに支えられながら今日までがんばってきました」
事件の2日前、井上氏はこんな集会にも参加しています。
(井上義行氏)「正直に言っちゃっていいんですか?『同性婚反対』だということを。私は普通の政治家と違うんです!だから私は同性婚には反対ということを信念を持って言い続けます」

(教団関係者とみられる人物)「うちの教会、うちの組織もたくさんの問題があります。この問題を支援してくださる方が井上義行先生でございます。井上先生はもうすでに食口(シック・教会員)になりました。私は大好きになりました。ただ戦いをするならば必ず勝たないといけない。勝つことが善であり負けることは悪でございます」
Q. 旧統一教会に入信された?
(自民党 井上義行氏)「入信はしていません。政策について賛同を得たということで、賛同会員ということになっておりますし、寄付あるいは会費の要望もありませんし、私からの会費あるいは寄付等もありません」

教団は番組の取材に「当法人が組織的に自民党候補者を支援したという事実はない」と回答していますが、井上氏側は「教団の賛同会員」であり、「友好団体(世界平和連合)から参院選で応援を受けた」ことを認めています。

3年前の参院選では8万7946票で落選した井上氏。しかし今回の参院選では、その倍近い16万5062票を獲得して当選しました。
事務所によると「3年前の選挙では教団の友好団体(世界平和連合)の応援はなかった」といいます。

40年前から統一教会の問題を追及し、参院議員を12年務めてきた有田氏は、教団は組織的に“政治への浸透”を図ってきたと指摘します。
これは有田氏が入手したという15年前の教団の内部資料。国内での経費に「PR Team」という名目で500万円が計上されています。
(統一教会問題を追及してきた有田芳生氏)
「2022年の今でも定期的に毎月、国会の中には統一教会のPRチームっていうのは来るんですよ。その女性たちが国会議員を回って統一教会への協力ってのを求めていくんです。今回の参議院選挙で、統一教会の応援をもらい当選した議員さんなんかは、統一教会の集会に出て、統一教会の教えをこれから国会でも広げていく。」

実は有田氏は、小泉政権下で自民党幹事長を務めていた安倍氏とこんなやりとりをしたといいます。
(統一教会問題を追及してきた有田芳生氏)
「『安倍さんの所に統一教会しょっちゅう接触してくるでしょう?』って聞いたら、『もうしばしば来る』って言うんですよ。でも『そういう人たちとお会いになったりするんですか?』っていうのを聞いたら『いや、なるべく会わないようにしてる』って。」

しかし、安倍氏は去年9月教団の友好団体が主催するイベントにビデオメッセージを寄せました。
(安倍元総理のビデオメッセージ)「朝鮮半島の平和的統一に向けて努力されてきた韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁をはじめ、みなさまに敬意を表します」
山上容疑者は当初、教団トップのハン・ハクチャ総裁を狙っていたと供述しています。
被害者の救済に取り組んできた弁護士は安倍元総理に対し、教団と距離を置くよう繰り返し要請してきたといいます。
(全国霊感商法対策弁護士連絡会 山口広弁護士)
「安倍晋三先生にも他の政治家に対しても何回も、統一教会にエールを送るような行為はやめていただきたい。新しい被害者がそれによってまた生み出されかねないと」
弁護士らによると教団による被害の相談件数はこれまでに3万4537件、その総額は合わせて1237億円に上るといいます。

7月17日『サンデーステーション』より

こちらも読まれています