「トップ論文」の数 中国が米を抜いて世界一に 日本は10位で過去最低[2022/08/10 19:39]

 研究者による引用回数が上位1%に入る「トップ論文」の数で中国がアメリカを抜いて世界1位となりました。日本は10位で過去最低となっています。

 文部科学省の科学技術・学術政策研究所は、日本と世界の主要な国の研究開発費や論文数などを調査し、科学技術に関する研究活動を分析した「科学技術指標2022」を公表しました。

 論文は、他の研究者による引用が多いほど内容が注目され質が高いとみなされます。

 報告書によりますと、2018年から2020年までの平均のデータでは、他の論文に引用された回数が上位1%に入る「トップ論文」の数で、中国が4744本となり、米国の4330本を上回り初めて世界1位となりました。

 日本は324本の10位で、インドに抜かれて過去最低となっています。また引用された回数が上位10%に入る「注目論文」の数でも、中国が4万6352本で1位、アメリカが3万6680本で2位となっています。

 日本は3780本で、スペインと韓国に抜かれて12位に順位を落としています。

 論文の総数では、1位が中国の40万7181本、2位がアメリカの29万3434本、日本は6万7688本で5位となっていますが、世界各国の論文数は急増していて、日本の占める割合は低下しています。

 日本は研究開発費や研究者の数などでアメリカや中国に次いで3位を維持していますが、他の国と比べて伸びが少なく、博士号の取得者は2006年度をピークに減少を続けています。

 科学技術立国の実現に向けた課題は多く、研究活動における日本の国際的地位の低下が続いています。

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