ロシア軍との戦闘で足を開放骨折する大けがをして、日本で治療を受けていたウクライナ人のアントン・コルニシュクさん(38)が26日、千葉大学病院を退院しました。
日本語を学んでいたことから日本で治療を受けることになったコルニシュクさんは退院するにあたり、日本語で「ウクライナ国民を代表して日本の方々に心からの感謝を述べたいと思います」と日本への思いを表現しました。
アントン・コルニシュクさん直筆メッセージ原文:「今後の計画について」私の今後の計画について一言、お伝えしたいと思います。私はこれまでウクライナでいくつかの大学で勉強をしました。日本語の勉強は2014年の戦争前に始めましたが、戦争がはじまり、言語大学を卒業することはできませんでした。しかし学んだことを忘れないように勉強は続けました。独学は難しかったけれど、何年も時間を費やした日本語や日本文化に関する勉強は好きなことであり、これを諦めることはしたくありませんでした。2014年の戦争後、平和を守るために軍に入隊してからは異動が何度かありましたが、日本語の勉強を続け、イヴァン・フランコ記念大学に辿り着きました。また、同時期にテルノーピリ国立医学大学に入学し救急医療を専攻しています。なぜなら2019年に始まったロシアとの戦争は今後長く続き、自分は基礎的な医学専門知識が必要だと感じたからです。医学専門知識があれば、もっと効果的に自分の国を守ることができます。私は軍においては衛生兵ですが、2つの大学での勉強も続けています。勉強との両立は大変ですが、勉強は非常に面白いです。ロシアが全面戦争を仕掛けた2022年2月24日、私は前線に再び戻らなくてはならないとすぐに理解しました。そして、キーウ郊外のイルピンで負傷し、2か月間ウクライナで救急措置の後、日本で治療を試みる決心をして今日に至ります。私はリハビリを終えて、また任務に着く準備ができたら、侵略者との戦いに勝利に貢献するためにウクライナに戻りたいです。それまでの日本滞在中には、日本語の勉強と日本人との交流を通じて日本語能力を高めたいと思います。また他のウクライナ退避民や日本に長く住んでいるウクライナ人達とも会ってみたいです。日本で私ができることとして、ウクライナ人支援のコーディネートや、戦争で負傷した人々のリハビリ事業についてもお手伝いすることができます。また、ウクライナに関する客観的な現状を日本人に伝えたいと思います。この観点から皆さまに協力頂ければ幸いです。今、この場にいられること、モラル面や経済面における多大な支援に感謝します。ウクライナ国民を代表して日本の方々に心からの感謝を述べたいと思います。いつの日か私たちも皆様にお返しをできることを希望しています。2022年8月26日アントン・コルニシュク」
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