「素晴らしい鳥肌が立った」東京・全数把握見直し withコロナへ“転換点”[2022/09/13 23:30]

13日の東京の新型コロナ新規感染者は8855人と、5日連続で1万人を下回りました。

毎日発表されている新規感染者の『全数把握』について、東京都が見直しを決めました。

東京都・小池百合子知事:「今般、発生届の対象外の人についても、希望者にはMyHER−SYSを活用した健康観察サービスを提供できると国から示された。また、コロナ経口薬の一般流通も16日から始まることとなった。こうしたことから、都は26日から発生届の全数届け出の見直しを実施する」

政府は、今月26日から全国一律で、簡略化した運用に移行することを決めています。

これを受け、都も26日から、医師が提出する発生届の対象が「65歳以上」「入院を要する人」「重症化リスクがあり、治療薬や酸素の投与が必要な人」「妊婦」に限定されます。

東京都・小池百合子知事:「発生届の対象外となる患者への対応。こちらには万全を期し、フォローアップを強化していく。検査キットなどで陽性が判明した人は『陽性者登録センター』に登録を。それにより、届け出対象の人と同様にMyHER−SYSを活用した健康観察が受けられる」

見直し後、新規感染者数は、発生届と陽性者登録センターの診断登録数などの合計で発表されるとみられます。

医療機関や保健所が陽性者の情報を入力する国のシステム『HER−SYS』。運用当初は、入力項目が約120ありましたが、その後、段階的に減らされ、現在では、最も少ないケースで7項目となっています。

それでも、感染が急拡大した第7波により、現場には入力作業が大きな負担となっていました。

入力作業のため、13日は午前3時に帰宅したというクリニックの院長は、こう話します。

いとう王子神谷内科外科クリニック・伊藤博道院長:「素晴らしい。素晴らしい。今、鳥肌が立ちました。もう本当にこの1カ月くらい、ずっとそれを思っていました。我々の施設では、多い時で20人超の発生届を出していたので、(届け出が必要なのは)1割ぐらいになる。その1割も、ハイリスクの患者さんや、実際に症状の重い患者さんとなると、自宅での経過観察を密にすることに今もなっているので、それで正直ちょうどいいぐらいかなと」

日々業務にあたっている保健所は、この決定をどう受け止めているのでしょうか。

北区保健所・前田秀雄所長:「非常に業務の軽減になっていく。ただ、今懸念されてるのは、軽症の方々のなかで一部、その後重症化されたり、療養上の課題がある方のニーズに適切に対応できるか。非常に不安が残る。軽症の方の様々なニーズについて、いかに適格に応えられる体制が整えられるかどうかが、本当に実質的に業務が軽減できるかどうかのカギになる」

全数把握の見直しは、こんなところにも影響しています。河野デジタル大臣は、新型コロナの感染者との接触を知らせるアプリ『COCOA』を、機能停止する方針を明らかにしました。

河野太郎デジタル大臣:「全数届け出ルールが変わるので、COCOAを活用する前提が変わる。COCOAの機能停止になると思う」

COCOAは、厚生労働省が開発・運用していましたが、去年2月、通知が来ないなどの不具合が発覚し、現在はデジタル庁も運用に加わっています。

全数把握の見直しで、届け出対象外の人には、登録用の番号が発行されないので、停止することにしたといいます。

河野太郎デジタル大臣:「COCOAはスタートからボタンの掛け違いがあった。スタートからどうだったか、きちんと見たうえで、お手盛りでない総括をして、次のパンデミックにつないでいく。ウイルス変異して全数届け出になれば、COCOAの再開もあると思う」

“withコロナ”の生活に向け、私たちの環境が次々と変わっていきます。水際対策もその1つ。政府は、一日あたりの入国数の上限撤廃や、ツアー以外の個人旅行の解禁、ビザの免除などを検討しています。

政府関係者によりますと、感染状況なども見極めながら、緩和の時期を判断する方針で、早ければ秋にも緩和する方向で調整しています。

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