富士山の樹海に紛れた大量のごみ AI活用で隠れたごみを一掃するパトロールに密着[2022/09/20 12:30]

 テレビ朝日は「未来をここから」プロジェクトの一環で気候変動問題などSDGs企画をお伝えします。20日のテーマは「陸の豊かさも守ろう」です。日本が誇る世界遺産の富士山。その樹海に紛れ込んだごみをAI(人工知能)で可視化する取り組みが始まっています。

 先月末、富士山の麓の道路をロードバイクでサイクリングする人たち。

 NPO法人・富士山クラブ、荒井みずきさん:「すごいね、また(ごみが)増えていますね」

 NPO法人は近年急増している富士山周辺のごみをパトロールしています。

 NPO法人・富士山クラブ、荒井みずきさん:「多すぎてごみが拾いきれない。ごみ箱ですから。ドライバーのごみ箱」

 富士の麓で深刻化する樹海に紛れた大量のごみ。AIが映像を解析をすると、見えない姿を現します。

 ごみパトロールは専用のカメラを自転車に取り付けて、道路周辺を撮影しながら行われます。

 NPO法人・富士山クラブ、荒井みずきさん:「ドライバーが投げ捨てたごみかな」

 横の道路は交通量が多く大型トラックが行き交っています。投げ捨てられたごみは樹海にどんどん紛れ、たまっていきます。

 AIに、ペットボトルや空き缶などをごみと認識するよう学習させ、自転車からの映像を解析します。すると。

 山梨県富士山科学研究所・安田泰輔主任研究員:「AIを適用してごみが認識された。ごみである確率が0.72(72%パーセント)」

 ススキなどの植物やごみでないものを見分け、ごみを次から次へと検知していきます。

 NPO法人・富士山クラブ、荒井みずきさん:「今までAIでなく拾ったごみを人力で計測していた。(AIで)分析できれば対策につながるという期待も実感もあります」

 取材したNPO法人はAIがごみと判別した地点をGPSで記す地図を今年度中に作成し、富士山周辺でごみがいかにたくさん捨てられているか、啓発していきたいということです。

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