“発電するガラス”で「10年後にはビルを発電所に」京大などの再生エネルギー最新研究[2022/09/23 12:36]

 テレビ朝日は「未来をここから」プロジェクトの一環で気候変動問題などSDGs企画をお伝えします。23日のテーマは「気候変動に具体的な対策を」です。窓ガラスで発電しビル全体が太陽光パネルとなる高層ビルが近い将来、誕生する可能性があることが最新の研究で分かってきました。

 私たちの身の回りにあるガラス。

 今、このガラスを電力を生み出す資源として活用する研究を進めているのが京都大学の坂本准教授です。

 京都大学化学研究所・坂本雅典准教授:「こちら(右)が通常のガラスで、こちら(左)が我々の開発している透明な太陽電池」

 通常のガラスと見比べても違いが分かりません。

 この特殊なガラスを使って太陽光発電を行うといいます。

 京都大学化学研究所・坂本雅典准教授:「人類は光エネルギーを十分使えていない。そこの最たるものが“赤外のエネルギー”だと思っていた」

 坂本准教授は太陽の赤外線に着目。

 赤外線は人の目には見えない光です。

 目に見える光を利用するこれまでの太陽光発電は発電パネルも目に見える黒色をしています。

 しかし、目に見えない赤外線を利用する新しい太陽光発電ではパネルも透明にすることができるといいます。

 つまり、私たちはこれまでどおり日の光を浴びながら建物は発電できるようになるのです。

 この特殊なガラスの実用化を大学と進めている企業の中川社長は、将来ビルが発電所になるといいます。

 株式会社OPTMASS・中川徹社長:「(これまでは)都市=電気を消費するところ。我々の透明太陽電池がビルの窓に付けられればビル1個が1つの発電所になりますので、全国すべてのビルに設置すれば都市が発電する。多分10年後、普通になるんですよ。我々はそういった“素敵な未来”を作りたい」

 開発チームは、都市で使う電気は都市で作る、いわば「エネルギーを地産地消する社会」を目指しています。

 2030年の実用化を予定していて、東京の丸の内など、高層ビルがそびえるエリアを巨大な発電所としても機能する街にしていきたいと語りました。

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