MIXI社長「スポーツの記憶と記録をお金に…」『スポーツ×NFT』巨大市場を狙う[2022/10/05 23:30]

新たな成長戦略として、先日の所信表明演説でも触れられたのが『NFT』。なかでも今、注目されているのが、スポーツの動画に“証明書”をつけて、“自分のもの”として、売買したりするもの。巨大な市場を狙う企業に密着しました。

国立競技場で開催されたJリーグ初の試合に足を運んでいたのは、IT大手『MIXI』の木村弘毅社長です。SNSの先駆けだった『mixi』から、スマホゲーム事業などを展開してきました。
MIXI・木村弘毅社長:「国立初ゴール。これは絶対にNFTにしたい」

これまでウェブ上のものは、手に取れるものと違い、いくらでも複製できると考えられていました。しかし、本人のものという証明ができるブロックチェーン技術が開発され、ネット上のアート作品など、高額で取引されるようになっています。そんなNFTの世界で、いま、注目されている分野がスポーツです。

去年10月、木村社長は、カナダ・バンクーバーにいました。訪れたのは、NFTのスポーツ分野で世界トップランナーの『ダッパーラボ社』。手がけるのは、アメリカを席巻しているバスケットボールのNFT『NBA TOP SHOT』。

NFTの対象は、静止画だけでなく動画も。NBAのスーパープレイも、自分のモノにできるとあって、空前のブームとなっています。今や、売り上げは1600億円にも及ぶといいます。

実際の利用者は、こう話します。
マイクさん:「私が持っているなかで、一番高いのは、多分、いま4000ドル(約55万円)ほどの価値があるのかな」

なぜ、数秒の動画に、大金をかけるのでしょうか。
マイクさん:「これはレブロン・ジェームズの『TOP SHOT』で最初のスラムダンク。これは『TOP SHOT』にたったの1000個しか存在しない。彼が、今後、史上最高のプレイヤーになると思ったので、その選手の最初のダンクを手に入れるというのは、とても魅力的だった」

総額1万ドルをも使ったマイケルさんは、こう話します。
マイケルさん:「チームへ私のファン精神を示すために買った。幼いころ、紙のトレーディングカードを集めていた。それから誰かが『レブロン・ジェイムズの動画を約2800万円で売った」という話を聞いて、『やばいぞ、試さねば』と思った。そして気づいたらハマっていた」

コレクター心をくすぐり、さらにはユーザー同士が、売買するビジネスモデルを確立したNFTの世界。
MIXI・木村弘毅社長:「『TOP SHOT』が本当にNFTって価値になると証明してくれたと思っていて、日本のスポーツ界の救世主になると期待している」
社長:「ぜひコラボしたいです。私たちができることをお手伝いします」

そして、ゴールやセーブなどスーパーシーンを配信するJリーグ版の『NBA TOP SHOT』を作り上げました。

日本にも押し寄せる『スポーツ×NFT』の波。その先に、どんな未来が待っているのでしょうか。
MIXI・木村弘毅社長:「スポーツって点が取られたとか、どのくらいのスピードで走ったとか、記録が着目されてますけど、それと同時に、記憶として残る名シーンをみんな共通で持っていると思う。海外では、スポーツの記憶と記録というものが、きちんとお金に化けている。(Q.ビジネス面で日本のスポーツは遅れているか)欧米に比べて、すごく遅れていると思っています。(NFTによって)日本の給与水準が上がっていくことで、海外に行くスーパースター選手を日本に食い止められる。世界中からイケてる選手をとってこられるようになると思う。この日本の、この競技場でスーパースターのプレーを見まくれるようになると。日本にとってすごく明るい未来だと思う」

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