「可能性は高い」インフル+コロナ第8波“同時流行”の可能性も…専門家に聞く[2022/10/12 23:30]

11日から始まった全国旅行支援と水際対策の緩和で、人の動きが活発になるなか、懸念されているのがインフルエンザと新型コロナの“同時流行”です。

クリニックばんびぃに・時田章史院長:「やはり海外からの渡航者や、人の流れが増えてきた。今年はかなり注意しなければいけない。不意打ちをくらい、前倒しで(インフルエンザの)流行が始まって、無防備な状態や基礎疾患のある方が、重症化する頻度が高まるのが問題になる」

12日に行われた厚労省のアドバイザリーボードでも指摘されました。

厚労省アドバイザリーボード・脇田隆字座長:「同時に流行が起きた場合には、医療へのインパクトも大きくなる。ここでいま一度、基本的な感染対策の再周知が必要ではないか」

同時流行が起きる可能性は「極めて高い」とも分析しています。

厚労省もインフルエンザの流行に備え、ワクチンの供給量を過去最多の7042万人分を確保する見通しです。

ヨーロッパでは、すでに危機感を募らせていました。

フランスで11日に確認された、コロナ新規感染者は約9万5000人。第8波を迎えるなか、インフルエンザとの同時流行が懸念されています。

ブローン保健相:「大切なのは心配することではなく警戒。医療制度が圧迫されることは分かっているが“もう一つのパンデミック”を引き起こしてはならない」

政府は、インフルエンザとコロナのワクチンの同時接種を推奨し、マスク着用義務化の復活も検討しています。

市民:「(Q.インフルのワクチンは毎年打つ?)迷わず11月中旬か12月に打ちます」「コロナでは毎日約300人が亡くなる光景を見ています。インフルとコロナの印象の違いだと思います。妻と話し合ったことはあるが、インフルワクチンは接種していない」

今後起こり得る同時流行に向け、動き出しているところもあります。

パリ近郊にある薬局では、インフルエンザとコロナ、2つのワクチンを仕入れ、準備を進めていました。

薬局の店員:「2年間、マスクや消毒などの対策を取ったことで、インフルエンザウイルスにさらされることが少なく、人々の免疫力が下がったかもしれない。今年はそもそも感染対策をやらなくなったので、抵抗力が低いままウイルスにさらされて、複雑な状況になるかもしれない」

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日本の流行予測の参考になるのが、南半球の流行状況です。

オーストラリアのインフルエンザ感染者数を見てみると、過去5年間の平均感染者数は、ピーク時でも1万人には届いていません。

ところが、今年の感染者数は、オーストラリアが寒くなる4月くらいから増え始めて、6月のピーク時には約3万人に。

日本ではどういう状況になるのでしょうか。

大阪大学・忽那賢志教授:「オーストラリアで流行したため、北半球でも流行する可能性は高い。すでにアメリカで流行が始まっている。日本も入国制限が緩和されたこともあり、インフルエンザが流行する可能性が十分ある」

新型コロナとの同時流行の可能性については、こう話しました。

大阪大学・忽那賢志教授:「人と接する機会が増えたことで、新型コロナの第8波が起こる可能性は高く、同時流行も考えられる。インフルエンザとコロナのワクチンは、同時に接種できるので、できるだけ早く打った方がいい」

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