予報士のつぶやき 令和元年東日本台風から3年[2022/10/13 12:36]

■令和元年東日本台風から3年

東日本を中心に甚大な被害をもたらした
2019年の台風19号。
10月10日〜13日までの総雨量は、
神奈川県箱根で1000mmに達するなど
新潟県、静岡県、関東甲信、東北で
記録的な雨量となり
1都12県に大雨特別警報が発表されました。

私は当時、新潟の放送局の局員だったので
新潟県に初めて大雨特別警報が出され、
「命を守る行動を」「最大級の警戒を」と
強い言葉で呼びかけたことやあの時の緊張感は
きのうのことのように覚えています。


■災害時に重要な気象情報は

あれから3年経ち、
気象庁から発表される情報は
さらに増えています。
ここで、改めてまとめてみました。

(1)顕著な大雨に関する情報(2021年6月〜)
線状降水帯により非常に激しい雨が
同じ場所で降り続いている時に発表

大雨による災害発生の危険度が
急激に高まっていることを示す

(2)線状降水帯予測情報(2022年6月〜)
線状降水帯による大雨の可能性が
ある程度高いことが予想された場合に
半日程度前から「線状降水帯」の言葉で呼びかけ

※線状降水帯の予測情報は
単体で出されるわけではなく
大雨が予想されるときに発表される
気象情報の中に盛り込まれている

大雨への心構えを一段と高めることが目的
たとえ、線状降水帯が発生しなくても
大雨となる可能性が高い

ポイントは
すでに起きている現象なのか
これから起こりそうな現象なのか
どちらに対して出されている情報なのかを
理解するということです。

情報によってはすでに
災害が発生している恐れもあります。
(上記では(1)が該当)

災害の危険度を示すキキクル
https://www.jma.go.jp/bosai/risk(気象庁HPより)
も活用しながら
自ら安全な行動をとれるようにして下さい。


■10月も台風シーズン

10月は平年3.4個の台風が発生しています。
現在も日本の南の海上は騒がしく、
熱帯低気圧が発生しやすい状況です。

台風がまだできていない穏やかな時こそ、
防災情報を復習、確認し、
いざというときに
活用できるようにしたいですね。


テレビ朝日気象デスク 久能木百香

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