高層ビルを大きく揺らす「長周期地震動」来年2月1日から緊急地震速報の対象に[2022/10/26 18:12]

 大規模な地震が起こった際にビルなどの高層の建物を大きく揺らせる「長周期地震動」について、気象庁は2023年2月1日から緊急地震速報の発表基準に加えることを明らかにしました。

 長周期地震動は、特に大規模な地震が起こった際に出る様々な「揺れ」の中で、周期が長くゆったりとした揺れを指します。

 遠くまで揺れが伝わる特徴があり、都市部がある平野や盆地で揺れが増幅される特徴があります。

 気象庁によりますと、2011年の東日本大震災の震源は東北地方の太平洋沖だったにもかかわらず、東京都内で高層ビルがいくつも揺れたほか、震度3だった大阪市では55階建ての高層ビルでエレベーターのロープが傷つくなどの被害がありました。

 いずれも長周期地震動の影響だということです。

 気象庁はこうした長周期の揺れへの警戒や注意などを呼び掛けるために、2023年2月1日から緊急地震速報の発表基準に長周期地震動の予測を加えることを決めました。

 これまで緊急地震速報は地表近くで予想される揺れの大きさをもとに判断していましたが、今後は「高いビルでのみ体感する揺れ」だけで発表される地域も出てきます。

 気象庁は、長周期地震動の大きさを4段階に分けていて、「立つことが困難」で、「家具が移動したり倒れたりする」揺れにあたる階級3以上を予測した場合に発表することにしました。

 気象庁は「通常の地震でも、長周期地震動による揺れでも取るべき対応に変わりはない。慌てず身の安全を守ってほしい」としています。

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