冬の味覚がピンチ ズワイガニ高騰「年々少なく」漁獲量8割以下 アラスカ禁漁も影響[2022/11/07 20:07]

 年末を前に価格が高騰しています。漁獲量8割以下も。冬の味覚、カニがピンチです。

 冬の味覚の王様、ズワイガニに今シーズン異変が。

 かにじぇんぬ銀座・千葉真由美女将:「カニの仕入れ額も高騰。安定供給は難しい状態」

 ズワイガニ高騰と供給不足の訳とは。

 日本海では冬の風物詩・ズワイガニ漁が解禁され7日朝、各地で初競りが行われました。

 阪急阪神百貨店バイヤー・澤田無我さん:「今年は相場が高くて入荷量も少なかった」

 年々、漁獲量が少なくなるなか、ズワイガニの相場がつり上がり初競りでついた価格は…。

 過去最高の310万円で競り落とされたのは重さ2.2キロ、越前ガニの最高級ブランド「極」。

 鳥取県・平井伸治知事:「カニばろう。カニばろう。カニばろう」

 しかし、漁獲量は去年の8割以下で漁師からは不安の声が。

 ズワイガニ漁師:「どんどんもっと取れなくなっていくので厳しい」

 ズワイガニの漁獲量は2010年の半数近くにまで激減。

 冬の味覚の高騰を嘆く人たちも。

 街の人:「買うのは無理。年金暮らしだから」

 今年は高騰加速の要因が他にも。都内のカニ専門店では…。

 生きた松葉ガニが早速到着。一体、いくらで食べられるのでしょうか。

 かにじぇんぬ銀座・千葉真由美女将:「2022年にちなんでお一人様分2022円で提供」

 通常5万5000円以上する松葉ガニのフルコースですが、22人限定で1人分を2022円で提供。赤字覚悟の激安価格にした訳は…。

 かにじぇんぬ銀座・千葉真由美女将:「円安、食材の高騰、コロナ禍において元気に明るく世の中を少しできたらという思いで」

 今、世界の海ではカニを巡り緊急事態が起きています。

 冷凍ズワイガニの平均価格は今年に入り急激に高騰。

 その要因の一つが世界的な気候変動による水産資源の枯渇です。

 アメリカ・アラスカ州ではズワイガニ漁が今年初めて禁止に。水温の上昇によりこの2年間で推定10億匹のカニが減っているといいます。

 ズワイガニに限らず輸入のタラバガニなど日本の食卓に欠かせないカニは記録的な円安やロシアへの経済制裁の影響などで高騰し続けています。

 石山商店・山口昌弘さん:「価格が上がってしまっていると、どうしてもお客さんが驚いて買い求めなくなるので物価も上がる一方ではなく下がって、おいしいカニを食べてもらいたい」

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