予報士のつぶやき 23(水)関東で年末の寒さに[2022/11/22 13:29]

あす23(水)は、関東で冷たい雨が予想されています。予想最高気温は東京都心で10℃を少し超えるくらい、年末ごろの寒さです。

冷たい雨を降らせるのは「南岸低気圧」です。冬の天気予報でよく登場するので、聞いたことのある方も多いかもしれません。関東平野部に雪を降らせる厄介な低気圧です。この低気圧が発達するほど北からの寒気が流れ込んでくるので、より一層気温が低くなります。

ただ、今回流れ込んでくる寒気はそれほど強いものではありません。茨城県つくば市上空1500m付近で予想される気温は3℃前後と大体平年並みです。降水が雨ではなく雪になることはまずないでしょう。

では、なぜ関東で年末頃の寒さになるのか。これには南岸低気圧が接近する前にやってくる小さな低気圧が関係しています。

南岸低気圧が関東に接近するのは23(水)の夜となりそうですが、関東はこの小さな低気圧によって朝から雨が降る予想です。朝の気温が低い時間帯に雨が降りだすことで、昼間になっても気温が上がらず、関東全体が冷たい空気の塊、いわゆる冷気ドームに覆われます。

低気圧の南側には暖気が控えているので、通常は低気圧が近づくと気温が上昇するのですが、この冷気ドームに覆われると、暖かい空気の侵入がブロックされ、気温が上がらないどころか、低気圧の接近によって強まる北風にのって内陸の冷たい空気が平野部に広がり、むしろ気温が下がってしまいます。冬場であれば大雪になるパターンです。

今回は朝の冷え込みが、昼間もずっと続くということになります。雨が強まるタイミングでは朝よりもさらに気温が低くなるかもしれません。

ちょうど、きょう22(火)は二十四節気の「小雪」、冬の到来を感じるようになる頃で、このまま季節が進むのかと思いきや、そうではなさそうです。今回の寒さは一時的なもので、24(木)からは再び暖かさが戻ってきます。きのう(月)気象庁が発表した早期天候情報によれば、北海道から九州、沖縄にかけて、今月末は気温が平年よりかなり高くなると予想されています。

テレビ朝日気象デスク 藤枝知行

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