予報士のつぶやき 木枯らし1号 2年連続なしに?[2022/11/25 12:34]

東京地方の木枯らし1号が、2年連続で吹かない可能性がでてきました。

木枯らし1号とは、秋から冬へと変わる時期に初めて吹く、北寄りの強い風のことをいいます。気象庁は、東京地方と近畿地方について、木枯らし1号の統計をとっています。今年、東京地方ではまだ観測されていません。

発表の基準は、東京地方と近畿地方で若干の違いがありますが、東京地方を例に見ると以下のようになっています。

1 期間は10月半ばから11月末までの間に限る
2 気圧配置が西高東低の冬型となって、季節風が吹くこと
3 東京における風向が西北西〜北である
4 東京における最大風速が、おおむね風力 5(風速 8m/s)以上である

注目は条件の1、木枯らし1号と判断される期限で、11月30日までとされています。今年はきょう25(金)を含めてあと6日しかありません。

残りの期間で冬型の気圧配置が予想されるのは26(土)と30(水)の2日のみです。26(土)は北日本が中心の冬型のため、東京では平均風速8mの基準を満たすことはなさそうです。可能性があるとすれば30(水)ですが、天気図をみると等圧線が本州付近で太平洋側に膨らんでおり、東京で西北西〜北の風は強まりにくいと考えられます。むしろ翌日の12月1日の方が北西風が強まるかもしれません。

ところで、東京地方における2018年からの木枯らし1号の発表状況をみると、
2018年 発生せず
2019年 発生せず
2020年 11月4日
2021年 発生せず
となっていて、もし今年も木枯らし1号が吹かなければ、この5年間で4回「発生せず」ということになってしまいます。

木枯らし1号が発生しなかったからといって、木枯らしが吹かないわけではありません。2018年以降で木枯らし1号が発生しなかった年について、前述した条件2〜3を満たした日付を調べてみると次のようになりました。

2018年 12/24 西高東低の冬型、北西、8.1m
2019年 12/15 西高東低の冬型、北西、8.8m
2021年 12/17 西高東低の冬型、北西、11.0m

いずれの年も12月中には観測されています。もし今年も木枯らし1号が発生しないようなことになれば、11月末までという期限を延長するなどの検討が必要になってくるかもしれません。

テレビ朝日気象デスク 藤枝知行

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