「気持ちに大きな波があった」ミャンマーで解放された久保田徹さん拘束時の様子語る[2022/11/26 17:14]

 ミャンマーで取材中に拘束されて禁錮刑を受け、その後、解放されたジャーナリストの久保田徹さんが26日、群馬県で会見を開き、拘束された当時の様子などを語りました。

 久保田さんは7月、ミャンマー最大都市ヤンゴンで軍事政権に反対するデモ活動を取材中拘束され、その後、「扇動罪」などの罪で禁錮10年の刑を受けました。

 今月17日に解放され、タイ経由で日本に戻りました。

 久保田さんは26日午後、ミャンマーの少数派イスラム教徒ロヒンギャが多く住む群馬県館林市で会見し、「禁錮刑を受けた時など気持ちに大きな波があった」「同じような毎日の繰り返しで日付も分からなくなってしまった」と当時の様子を振り返りました。

 また、久保田さんは「扇動罪はどのような理由をつけてでも逮捕できる。証拠のでっち上げもできる」などと話し、クーデター下で軍が法律を都合よく利用している現状を語りました。

 久保田さんによりますと、拘束後の取り調べの間に警察当局がネット検索で久保田さんが以前、撮影したロヒンギャのドキュメンタリーを見つけたということです。

 久保田さんは、「その後、私に対する(当局からの)嫌悪感が増したように感じた」「ドキュメンタリーが刑を重くした可能性があるかもしれない」などと話しました。

 仏教徒がおよそ9割を占めるミャンマーでは国軍は数十年前からロヒンギャへの迫害を続け、2017年8月には多くのロヒンギャを殺害するなどして、100万人を超える難民が生まれました。

 久保田さんは「ロヒンギャは軍にとって都合の悪い存在なので、それが私にも向かったのではないか」などと話しました。

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